無印良品 16型折りたたみ自転車

    商品開発担当者のコメント

「女性でももっと気軽に楽しめる
乗り易い自転車が欲しい。」というご要望もあり、
新しい折りたたみ方法
(車体を横折りする方法ではなく縦折り方法)
を採用する事でより操作し易くしました。
専用の輪行袋に入れ、公共機関での移動も可能
ですので、行動範囲が更に広がります。
乗心地も重心を落とし、前後のタイヤの距離を
少し長くし、そしてやや太めのタイヤを
標準装備にする事で安定した走行が楽しめます。
標準装備が内装3段変速ですので街乗りでも、
郊外でも普通にストレスなく乗ることができます。
メンテナンスが楽なベルトドライブ仕様も
ご用意しました。(IDEAPARK | 無印良品 より)

         (画像は MUJI 無印良品 より)
   日本ブランドの商品力
クロモリフレームで、 全長139cm × 全幅56cm、 車重12.3kg  

MADE IN CHINA ながら製造管理元は上尾工業株式会社(埼玉県)
 
 今回もこういう小さ過ぎなホイールのやつが欲しかった訳ではないのですが、
2023/04 現在での4万円台で買えるモノの中で唯一面白そうだったのがこれです。
 (コロナ禍で選択肢が激減しています。 普通なやつさえ見当たりません)
シマノの NEXUS とおそらく TEKTRO のキャリパーブレーキに加えベルトドライブの設定等、
高品位一般車の極小径車バージョンというのが、本車の成り立ちだと考えていたのですが、
三ヶ島の折畳みペダル(FD-7)やホローテック2タイプのBBが採用されており、
スポーツ車分類にかなり寄せた仕上がり感があります。
 
 一般車でもスポーツ車でもない、誰も考えないようなカオスな仕立てではありますが、
今や多売価格帯ではできそうにない良心的なパーツアッセンブルとでも申しましょうか。
今どきの中華な類のなんちゃって仕立てに席巻されたご時世においては、
ちょっと肩入れしたくなるような日本らしい仕立て方と思われましたので、
前途が怪しくなってきた XDS W5 の保険として、こちらを今在るうちに確保しておこうと相成りました。
時期尚早ではありましたが、継続生産品ではなさそうでしたのでやむなく。
 (ベルトドライブ仕様に興味をそそられましたが、すでに完売でした。 残念 !

、、が、今更2台もいらんぞ !!! どないすんねん !!!
 
( 2019/09 発売?らしく、定価は税込\59,900- )
( 2020/02 コロナ感染したクルーズ船寄港 )
( 2022 から 30% OFF=\41,930- )
( 2023/06 ついに税込\29,950- まで暴落 ! お〜〜い )
( 2023/09/13 ようやく完売したのか商品情報消滅 )
( 2024/03/31 コロナワクチンの集団接種会場閉鎖 )
 
 いくら良心的であろうとしても、高確率で雑味の入ったパーツに席巻されたこのご時世にあっては、
後述するブレーキのように如何ともしがたい箇所も出てきます。
価格が下がるほど必要な品質が削られていくのが、今の自転車の在り様となっておりますが、
コロナ禍を経て物価高騰の続く中、非常に品質感の優れた自転車であったと思います。
 乗り出すにあたって
 通販にて入手した本車ですが、完全組立て状態で届きます。(付属品の5mm六角レンチはありませんでした)
今ふうの素性の知れぬ安っぽさが希薄な、意外とごついシロモノです。
良い意味で、このごつさは無印良品らしくありません。
捉えどころのないような自転車ですから、何とも言えないんですが、
オーバークオリティ感があります。
 
 XDS W5 から見れば、昔ながらの内装3段を収めたフレームエンドはかなりの広がり様で、
ベルクランクの張り出しもあってスリム化を完全放棄していますが、
徹底した軽量化は望めないクロモリフレームですから、こういうのも有りでしょう。
価格なりに小径車を極めずオーソドックスに纏まっており、今風のスマートさの無い光景には、
オシャレさはありませんが、内装3段がステータスを放つレトロさならあります。
 え? そこがオシャレなんですか?
 
 乗り出す前に以下の簡単な調整をいたしました。

● フロントブレーキのシューのずれを調整。 (調整してもこいつはダメでした。 後述)
● チェーンの張りの調整。 マニュアル通りのようでチェーンの流れが固いので、少し緩めます。
 (緩めのテンションが好みなのですが、チェーンステーとのクリアランスが非常に厳しいです)
● 内装変速機のロッドの合わせラインが2mm程ずれていたので、シフトケーブルを調整。
● ハンドルバーのセンター合わせ。 右に5mm程ずれていました。
● 高過ぎるタイヤの空気圧を調整。
 以上です。
 
 前後ブレーキワイヤーは張りを完全に緩めればレバーからタイコを外せる長さにセットされています(笑)し、
怪しい QUANDO のフロントハブの玉当たりの感触もまずまずよろしいかと。
また、ヘッドパーツの締め過ぎのような首振り加減は、束ねられたケーブルの影響と思われますのでそのまま。
   初期印象 悪し
 初期の乗り味が異常にハード !
 情け容赦なくビシバシ来ます。 ここまで硬いかという未経験の驚きがあります。
過剰にソリッドな感触を伝えるフレームはクロモリ製です。
アルミと違ってクロモリは体に優しいと聞いていましたが、フレーム材の長さが短いせいなのか、
大小問わず角のある衝撃が直通 or 反響 or 増幅、えらく厳しいです。
 
 ハンドルグリップは柔軟性の無いツルツルタイプで、ゴムと言うよりビニール、振動吸収性はありません。
サドルは、座面はワイドでも、プラスチッキーで滑りやすく平面的で、車体に対しては柔軟性不足です。
一言でいうと見た目通りに素っ気ないサドルで、
あるかないかのスイートスポットを外すと乗り味の硬さについていけず、尻が悲鳴を上げます。
サドルの問題はスポーツ車並みの調整の詰めで改善が期待できますが、
変化のつけようが無いハンドルから伝わる硬さはどうにもなりません。
 
  尻が痛くなる頃には慣れない内装3段のステップ比の大きさにうんざりしていますから、
 サドルだけに文句をつけたくはなりません。 近距離用と割り切れば、折り合いはつけやすいです。

 
 サドル以外に調整箇所が無く、どう対処すればよいのか方向の定まらぬ状況で、
似つかわしくないハードな乗り味に向き合わねばなりません。 ど〜する?
 タイヤが硬いせい?
 乗り味の硬さの一端を担っているタイヤは、CHAOYANG という中国メーカーのもので、
KENDA の如何にも安っぽく一般車然としたメーカー装着タイヤとは異なり、
見た目はずっと “らしさ” があります。
おかげで、初っ端からタイヤを変えたいという物欲に捕らわれずに済みます。
選択肢の限られる(SCHWALBE MARATHON 位しか目ぼしいものが見当たらない)状況で、
これはありがたいですね。
 
 ・・・おそらく200km以上を走行して、ビシバシした乗り味の硬さを感じることがなくなりました。
新品タイヤが一皮剥けて馴染みが出たようなのですが、、そんな張りの強烈なタイヤってあるんですかねぇ?
よく分からんけど、 めでたし めでたし。
追記)  (2025/04)
 
 ちょうど2年でタイヤの溝に亀裂が・・・。
油断していました。 リアは至る所に発生しています。
チェーン・メンテの際には目に留まるはずなんですが、
側面部ですし、老眼でチェーンに眼が釘付けですし、
変化を見逃していた可能性と、劣化が一気に進んだ可能性は、五分五分。
CHAOYANG 製の厚手のチューブも念のため、タイヤ共々交換です。
 
 作業のついでに怪しい QUANDO のフロントハブもメンテです。
デュラグリスっぽいのが大盤振る舞いに使われていて、ダメージも無し。
玉当たりの確認をするよい機会でしたので開けてはみましたが、
何もしなくて良かったようです。 やったところで良くはなりませんし。
 
 けっこう良さげに見えるタイヤですが、使用期限2年では時限爆弾ですね。
発売後2年3ヶ月の新年から 30% OFF セールに転じていますが、
タイヤの消費期限発覚は要因の一つでしょうか?
 乗り難い !
上述の乗り味のハードさがあれば乗り難いに決まってはいるんですが、
それとは別に、身体が何だか合わないんですね。 収まりが悪い・・。 
それで乗り味にも対処し難い・・。 ど〜しよ?
(小柄なおねェさんです)
 遠くて、高さがしっくりこない、、無駄に幅が広い、

 と感じさせるハンドルは、
突き出しが大きく遠いブレーキレバーと、
レボシフターで内寄せ出来ない手元との相乗効果として
大ぶり感があります。

 硬くて落ち着かないサドルの感触と重なり、
どこか身体に合わないものにつかまっているという
アトラクションな感覚ではあるものの、
車体がそもそも大きいので
それでバランスは取れてしまっているようでもあり、
こんなものかという気もしますが・・。
なぁ〜んだかサイズが合っていない。
 
   (画像は https://www.muji.com/jp/ja/shop/
    045353/articles/muji-staff/262991 を加工)
   ジオメトリに問題は無いか?
フレームサイズ(コクピット長)とハンドル位置(高さ)が問題となります。
(寸法は私の実測値。 精度は?)   
 先に結論を申し上げます。
 ハンドル幅を含め、無印良品16型のジオメトリは一流メーカーに準ずるもので、問題は無いようです。
つまり、内装3段変速でも、DAHON や Tern の立派なやつと同じ気構えで臨まねばなりません。
小径だからとて乗り手の身体はフルサイズのロードレーサー等に対するのと変わらないのですから、
フォームを決めるジオメトリも同じであるべきです。 まぁ、正論ですね。
 
 正論と言っても、スポーツ車売り場の正論です。 問答無用に走らねばならぬやつの正論。
ですから、もっとお手頃な一般車売り場にあるシティユースなやつの美徳と申しましょうか、
ちょっと小振りで手の内にある取り回し易さ、余裕を持てるユルさなどは備わっていません。
もっとガチでやってます。
 
 目的が異なりますから、どちらの設定も正しいと思いますが、、、
足して二で割るという無茶と言うかニッチと言うか、やってみたのが無印良品16型でしょう。
ハンドルが遠いと言っても、安定性に寄与するものですし、
ホイールベースを長くしたり、ハンドルを高めに設定するところまでは合成許容範囲ですし、
変速機能として内装3段も有りだと思います。
 
 が、そのシフターだけはスポーツ車並みの骨格に足し算できません。
スポーツ車はそのような異物を受け入れる寛容さを排除したものです。 走るために特化しています。
別項で扱いますが、この相性の悪いシフターが乗り難さの根源です。
ハンドル位置に無理があると感じるのは、そこから現れる2次的な幻想に過ぎません。
 とは言え、フルサイズな車体に対しては前傾が不足していますし、
前傾姿勢を拒否するのであればもう少し手前に、コンパクトに手元を収めるべきでしょう。
中庸と言えなくはありませんが・・。
 ジオメトリの検証
 よそ様とどれほど異なるのか? 無印良品16型はまともなのか?
 
DOPPELGANGER アサルトパック 211-R-DP と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)
丁度良さそうなハンドル幅は 520mm
身長163cmでも乗り易そう
(画像は https://www.doppelganger.jp/product/211_r_dp/ より一部加工)
 ドッペルギャンガー・・どこかで見た気がします。 夢がありますねぇ、あくまで夢ですけど。
攻めたスペックも、楽しむための小道具にすぎない、これぞ中華ルック小径車の特権です。
でも、中華ルック車とて、あなどってはなりません。 こちらも日本企画ですからね。
一つのジャンルを築いたとも言えそうなブランドながら 2020/03 自転車部門撤退。
当モデルの販売期間は 2018/02〜2020/02。 ネット価格は税込\38,499- 〜 \48,950- と様々。
 
 ガチを避けた乗り易さに関しては、こちらが比較対象でしょう。 ホイールベースと車重はほぼ同じ。
ハンドル位置はこちらの方がユルくて合わせ易そうですが、最大サドル高さが不足しているようなので、
小柄な方向きのSサイズと割り切る必要があるかもしれません。
ハンドルの遠さが同じらしい DAHON route と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)
 
 DAHON の人気エントリーモデルですが、よく重なっています。
無印良品16型の方がホイールベースが長く、BB高は僅かに低く、ハンドル高め、といったところでしょうか。
 
 route は「古賀修三のじてんしゃ学園」でも取り上げられており、
  (https://www.youtube.com/watch?v=IqP0a51Yrs8&t=173s)
ハンドルがコクピット長(シートポストと座面の交点から、ハンドルポストの頂点まで)約63cm と遠く、
ハンドル高さは最低の 96cm でも高過ぎるとの御指摘です。
無印良品16型はコクピット長は同じで(上画像では無印良品16型の方が僅かに長いようですが)
ハンドル高さはさらに 2cm 高い 98cm。
BB高が低い分、実質的なハンドル高さの差はそれ以上となります。 そりゃあかんわ (´・ω・`)
 
 上掲サイトでは、サドルのやぐらを前後逆にして、
BB のシートポストからのオフセット(とハンドルの遠さ)に対処されていますが、
私の場合はどういうわけかサドルの前後位置は無印良品16型で合います。(ホントか〜?) ラッキ〜〜!
20in. の Tern Verge N8 と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)
 
 これを手本にしたかのような重なり様で、びっくりです ! これはもう、強力な保証人ですね。
 (ここまで合うと何だか怪しい。 スケールを合わせ損なったか?)
 
“フレームの曲線美と日本人の体格に合わせ生まれた日本限定モデル。      
Tern を代表する VERGE シリーズの中でも圧倒的な人気を誇る【VERGE N8】”

     ・・・だそうです。
 
 どこがどう日本人向けなのかは存じませんが、
公称ハンドル幅も同じですから、無印良品16型の 20in.バージョンと言えましょう。
レボシフターでは違和感のあるハンドル位置も、本当は適正なものだったとなれば、まずいですね。
(適正と言っても作る側のお話ですから、あまり真に受けない方がいいとは思います)
レボシフターで感覚が狂うのであれば、狂った感覚に合う位置なんて無くて当たり前ですね。

 (N8 のハンドルポストは標準の 350mm 以外に、290mm、390mm があります)
同じ 16in. の最新モデル DAHON K9X と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)
 
 こちらでもホイールベースが長く、ハンドル高め、といった設定の違いが分かります。
BB のシートチューブからのオフセットは K9X の方が小さいようです。
ハンドルの遠さはこれが DAHON基準なのか、似たようなものですが、この高さなら違和感は無さそう。
14in. の DAHON K3 と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)
 
 大ヒット作 K3 です。 タイヤはユーザー定番のビッグアップルではなく 14×1.35 という、逆設定。
ハンドルもさらに遠く、小さいが故に突っ走らねばならぬ突撃タイプ ! 小さな赤い彗星になりたい方に。
 
 無印良品16型のフレームが 14in.並みに低く抑えられていることが分かります。
GIANT ESCAPE RX1 DISC と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)
 
 低いと思っていた BB高が同程度なのが意外です。 小振りな箇所ってホントに無かったんですね。
この RX1、適応身長 170〜185cm というフレームサイズ 500(M) のようです。
フラットバーロードと街乗りコンパクトの違いがこの程度かという重なり具合。
 ん、ESCAPEってクロスじゃなかったっけ? フラットバーロードって絶滅種?

 やっぱりおっきすぎるよなぁ。
GIANT のエンデュランス LIV AVAIL AR1 と重ねてみました。 (シートチューブを合わせています)

     (Women Endurance Bike とか レディースラインという修飾語もちらほらで女性向け仕様?)
     (ホイールベースは 994〜1001mm、無印良品16型とほぼ同じ)

 
 こちらも高いハンドルと BB のシートチューブからのオフセット以外はよく合っているようですね。
この AR1、一番大きいフレームサイズのSらしいんですが、適応身長 165〜175cm ならこんなもの?
27in. シティサイクル ブリヂストン ロングティーンDXベルト と重ねてみました。
 
通学チャリとは違うのだよ、通学チャリとは !
ブッ、ちぎられるぜぇ〜 ! 
 ここまでロードレーサーやらに近いと、
日常寄りな小径車には有り難いユルさなんて無くて当たり前、
誤魔化しと分かりつつロードレーサーなポジション調整(と言ってもサドルだけ)に精を出さねば、
ホント乗り難いです。 乗り難いというか、まとまらないんですね。

 (XDS W5 はそこそこ適当でもフィット感があって、面倒なところはありませんでした)

 で、仕方なく地面に足の届かないサドル高さで走っているんですけど、
こいつはロードレーサーな乗り降りには向いていないと思います。
背中のリュックが邪魔になりますし、
ハンドルを押さえるのにレボシフターが邪魔ですし、やり難いです。
年齢的に身体の柔軟性や適応力に問題はあると思いますが、車体には不似合いな所作でしょう?
 
 小径車は
◆ ロードレーサー等を使用している人が、そのノリで同じように乗る。
◆ 何かと金がかかって面倒くさく単能そうなロードレーサー等など無縁な人が、普段着で汎用使いする。
の、二種類があって売り場も別だと思いますが、
無印良品16型は、両者合体で切り分けられないやつですね。
使用目的が後者でも、使用条件である前者を満たさねばなりません。 面白いですね。 遊べます。
 
 結局、ポジション調整を一から確認するというか、学び直す羽目になりました。
シニアの生涯学習な様相で情けないったらありゃしないんですが、改めて参考になったのが、以下のサイトでした。
 
  ロードバイクで膝が痛くならないサドルの高さ https://orca-school.com/fitting-saddle/
  サドルに正しく座るとは https://planet-podium.com/n/nb2f9682f1107
  サドルのどこに座るのが正解?  https://fufufuworld.com/2022/10/25/sit/
  20K自転車〜スポーツ自転車の【正しい座り方】 https://campsite7.jp/cheepcycling/
  ロードバイクの乗り方・降り方 https://www.youtube.com/watch?v=iOrty20A-O4&t=377s
   ハンドルの問題
 ハンドル幅は公称 56cm ですが、実測 58cm で、16in.小径車としては大き過ぎます。
ケーブルをスパイラルチューブで纏めるためにハンドル中央に集めるにはこんなものかもしれませんが、
高めの位置にフルサイズな幅は、大きいと感じてしまいます。
レボシフターが手元を内寄せにさせないので、余計に強調されるのかもしれません。
この自転車が何処となく大ぶりなのは、それが原因なのでしょう。 小旋回は苦手、緊急停止も苦手です。
 ハンドルバーは 540mm ですから、
どうやらグリップを最後まで押し込まないように
組み上げられていた模様。
 
 
 左画像は前出の muji.com/jp/ja/shop/045353/・・・
のものですが、ハンドルポストとの比較から、
こちらもハンドル全幅約 58cm のようです。

 
 レボシフターが泣き所
 ハンドルの不自然さの発生源は、「レボシフター」です。 常時触れるこいつが曲者ですね。
まるでハンドルの設定に問題があるかのように鳴りを潜めていますが、こいつが元凶です。
 
 レボシフターはブレーキレバーを押しのけ、手元に異物として割り込みますから、
どうしても手の置き様に違和感が出てしまい、ハンドルポジションの落し処がぼやけてしまいます。
落し処の判断が曖昧になるだけでなく、落し処にもレボシフターの違和感が残ってしまいますから、
どうやったところですっきりはしません。
(手元に加重されないリカンベントであれば平気なんですが)
 
 どのあたりでレボシフターとの折り合いをつけるかという難題に解決策はありません。
これはもう、レボシフターの宿命ですね。
そんな宿命に対処しようなんて気は起こさない方がいいのですが、
「すっきりしない」=「もう少し何とかなりそう」な感触がどうにも厄介です。
また、レボシフターの違和感は手元の疲労として蓄積されて増幅してゆくので、マジ厄介です。
ハンドルポジションから来る疲労のようにも感じられて、
ハンドル交換を試すハメにもなり、かなり厄介です。
 よって最善策は 「レボシフターなんぞ取っ払え !
交換
いやや!
 まぁ、出来ますけど、、、 もったいないです。
一応、一番立派なやつが付いていますし、
どう見てもダウングレードで恰好悪いピアノタッチレバーしか代替品はありませんし、
何とか使うしかありませんね。
 
 そう考えさせるレボシフターには強固に厄介が憑り付いています。 厄介払いは大変です。
 標準ハンドルバーは使えるか?
 幅を詰めればハンドルの、レボシフターの違和感は薄まります。
ハンドルバーの完全直線部は 170mm 有り、
シフター&ブレーキレバーを内側に寄せ切れば、全幅 520mm 相当の手元が実現できます。
この時、右グリップの取付け部は 20mm増の 100mm となり、握り代不足も解消されますから、
ハンドルバーのカットは不要でしょう。
グリップ交換代のみの経済的な解決となり得ます が、
ケーブルを見栄え良くスパイラルチューブで纏めることは無理です。

それでは折り合いがつかないとしても、最初の一手として有効ではないでしょうか。
 ハンドル交換 〜ライザーバー
 BNVB ライザーバー 540mm です。
 
◆ ライズ=30mm(芯-芯)
◆ バックスイープ=約6°
◆ 完全直線部=150〜160mm
◆ 重さ=持った感じ同じ
◆ 表面仕上げ=似たようなもの
 (比べればきめが粗くテカリが強い)

◆ 交換後のハンドル全幅=555mm
( DAHON の交換例 https://www.youtube.com/watch?v=i6Fld3k-J9c が参考になりました)

 クランプの両脇の、ハンドルバーとの段差を埋めるカバーみたいなリングが
スカスカで止まらないので移植できない以外は、交換に問題はありません。
(参考動画の DAHON はゴム製で問題なし。 こちらはアルミ製をOリングで止めるタイプで径が合わない)
波及するものが無いので、他を弄らなくて済むのが良いところ。
ロゴマークは適度なアクセントに映りますし、
外観的に幅広で間延びした印象も無くなり、見た目も良好。

 完全直線部が短いので、シフター&ブレーキレバーは元の位置から内側に 8mm しかずらせません。
少々短い右グリップは挿入深さ 80mm、全長 87.5mm ですが、長くしたくても 8mm が限度となります。
ライズバーの最小幅は、レボシフターを使用する場合には、540mm が限度でしょう。

 取付角度は基本の?垂直にライズした状態に落ち着きました。
ここは意外と変化が感じられる処なので、曖昧なままで済ますべきではありません。
(ライザーバーの角度については https://route-okp.com/pedal/archives/709 が参考になりました)
 
  標準ハンドルバーに対して、何故か高速ギアが使いやすくなりますし、
爽快感も少しあったりで、何かと苦しみが減るのは確かです。
が、高めの設定のハンドルをさらに 30mm 高くするというのは、何かがおかしいはずです。
 Tern Verge N8 にはオプションで 40mm アップのハンドルポストがありますけど)
この自転車だけに乗るのであれば、その変化を踏まえて良くなったで済ませられますが、
XDS W5 から乗り換えるとハンドルの高さは不安定に思えるほどです。 考え直さねばなりません。
 
 自転車のフォームには、サドル&ペダル&ハンドルの3点に体重分散させるというセオリーがありますが、
ハンドルに加重するほど手元とレボシフターとの相性の悪さが表面化してきますし、
フラットバーそのものが、分かり易い形をしているだけで快適なものではありません。
その点で手元の負荷が軽いハンドル高めの基本設定は正解でしょう。
ただ、ハンドルの遠さが逆効果となっていますから、
ライザーバーでさらに高くすることで、ご利益がはっきり感じられるようになります。
レボシフターと共存し易いのが最大の利点です。
ハナから体重分散しきれない高め設定のハンドルですから、損得勘定は成立すると思うのですが、
アップライトさとハンドルの遠さは、やはりおかしな組み合わせとなります。
 ハンドル交換 〜フラットバー
 XDS W5 に倣い、500mm を試します。
 
 完全直線部の長いものが必要ですので、
Amazon の右画像を参考に、
こちらも BNVB を選びました。

◆ バックスイープ=約7°
◆ 完全直線部=175mm
 
◇ グリップ=135mm 片側ロックオンタイプ
 (XDS W5 で使用していたもの)
 右グリップ部は上画像に落ち着きました。
 グリップの長さは標準グリップの左用と同じです。
 
 ここまで幅を詰めるとケーブルの長さが余ってしまいます。
 スパイラルチューブを解いて結束しなおさねばなりません。

(1520mm の変速ケーブルを 1480mm に替えて、
 他のケーブルも長さを詰めれば、
 ケーブルの取り回しを少しはコンパクトに出来ると思います)
    500mm のハンドル幅は
レボシフターのうっとおしさが鮮明になります。

ハンドル幅が丁度良くなって、うっとおしさを誤魔化すものが無くなったためでしょう。
520〜540mm の方がよろしおす。
 ピアノタッチにしてみるか?
 操作のアクションが大きく、レボシフターよりも操作性の劣るピアノタッチレバーに変更です。
レボシフターではどうにもなりませんし、ピアノタッチも不満が残るのは必定、でもやってみます。

 シフター自体の動作は軽快なのですが、
シフトケーブルに、グリスがまとわりついているような摺動抵抗があって、切れが悪いです。
既に付いてしまっているアウターの曲がり癖も厄介で、タイコの向きが90°よじれてしまいます。
残念なことに、これらは新品のケーブルでも同じでした。
(インナーのオイルアップを試みるも、オイルの吸いが悪く何かおかしいです、こいつ。
 CRC 5-56 かクリーナーでもぶち込んで様子を見たほうがよかったかもしれません)
また、32へのリリース時に、ラッチの爪に引っ掛かりがあるのも操作感を悪くしています。

 総じてグレードダウンな状況にはなりますが、
 手元はレボシフターの違和感から解放されて万々歳ですね。
シフトケーブルの長さが丁度良くなって、
ケーブル類の長さ余り感が薄まりました。
前方からリリースレバー部の内部メカが丸見え。
防塵・防滴性ゼロ !
カバーされているのは操作面のみという大胆さ。
さほど繊細なものでもないし、まぁいいか。
シフターは少し傾けた程度。
ケーブルはハンドルポストの手前を通ります。
 Amazon のレビューによれば
2ウェイリリース的な操作が出来るという事で、
探してみれば右画像のように下向きにすれば
良さそうに思えます。
 
 が、ハンドル幅を詰めてしまうと
ケーブルを逃がせなくなるので、そこまでは無理。
どう向けたところで操作し難い面が出てきますから、
この程度で妥協するのもよろしいかと。
また、下向きにするには、
グリップとブレーキレバーの間に配置せねばならず、
手元感覚が揃わないのが本件では圧倒的に不利です。
 
(偽セキュリティ警告のリンクが在るサイトからの引用)
 ハンドル問題の結論
◆ 常時うっとおしいレボシフターは、ピアノタッチレバーに換装すべし。

 ・ピアノタッチレバーは目立たないので、グレードダウン感はさほどありません。
  プラマイビスや鉄バンドといった安チャリ用品な風情も付けてしまえば忘れてしまいます。
 ・操作性の悪化はあきらめるしかありませんが、旧き良き実用メカであり、そのうち慣れます。
 ・目障りなレボシフターが無くなり、まともなグリップですっきりすれば、却って車格は向上します。
 
◆ 標準ハンドルバーでも 520mm にカットして使用可。
  (グリップ長さ 13cm として、ピアノタッチレバーでの必要完全直線部長さ 16cm )
 
◆ 手元のバランスを崩すレボシフターの違和感の解決をハンドルに求めると、無用な問題が生じます。

  ハンドルの位置はさほど悪いものではありません。
  手元を当たり前な状態に整理してしまえば、ハンドルの高さは気にならなくなります。
  高めと言っても辛くならない程度の前傾姿勢になりますし、
  体で前傾は作れますから問題はありません。 そういうジオメトリが備わっています。
 
◆ レボシフターを共存させるには手元のユルさが不可欠です。
  フォームのユルさを認めないフレームにレボシフターは無理です。
  握り易くは無いフラットバーの欠点と共鳴して手が付けられません。
   ブレーキの効き悪し
 前後とも食い付き不足です。
最初の食い付きが期待値に及ばず、あとはそのままズルズルと流れ気味に・・・。
 フロントブレーキ
 フロントは、シューにきついトーインが付いた状態で固定されてしまい、
当たりに偏りがあることが窺えるものの調整はできません。
 (トーインとは呼べないレベルの開き具合です)
また、リムの側面は CNC らしき切削肌で見た目はきれいですが、
その幅はシューに対して余裕がありません。
セッティングはシビアです。
 
 右画像は取り外したシューの当たり面で、上が前側です。
擦過跡から、制動時にも強いトーインが保たれたままで、
接触面が小さかったことが分かります。 効くはずのない絶対アカン状態。
このことからブレーキ本体の剛性はしっかりしていると思われますが、
シュー取り付け面の角度には問題があります。
 ブレーキシュー交換
 当たりが出るまで待つわけにもいきませんから、シマノの R55C3 を試してみます。
こちらは球面座金が組み込まれていますので調整が効きますし、セッティングが楽です。
しかしながら、ブレーキ本体の右のシュー取り付けスリットの幅が僅かに狭く、シューが入りません。
また、シューホルダーのヒレが干渉しそうです。
(同様の R55C4 との問題が https://blog.kanazawacycleparking.jp/bicycle/minivelo-brake-tektro900a/ ご参照)
 
 スリットの裏側に出ていたバリを削るように軽く面取りしたところ、
何とかシューが入りましたので、このまま経過観察します。
この TEKTROっぽいブレーキ、少なくともシュー取り付け部の精度に関しては見掛け倒しです。
え? 見掛け通りですか?
 
 交換後の効きは、そうあるべきレベルに改善されました。
Vブレーキの カッ、コッ といった「カ行」の初動には及びませんが、期待の範囲内の手応えは得られます。
スポーツ車の手応えではなく、グネっとしたママチャリな手応えですが、しっかり握れば効きます。
 
 ブレーキレバーが遠く指掛かりが悪いので、レバーの開きを小さく調整しましたが、
肝心のフロント側はノーマルでは レボシフターが間に入るため、
レバーの指掛かりの良い部分で引くことができないのが残念。
シフターはグリップの太さでも邪魔をします。(ブレーキに限らず変速時以外はうっとおしいだけですが)
ただ、レボシフターを取っ払っても効きは変わりませんでした。
 
 
自転車好きにとっては、フロントブレーキの改善に手を付ける可能性は高いので、
本件のシューの交換は余計な出費とまでは言えません。
が、結果オーライでは困る拙い事態ですよねぇ。
 リアブレーキ
 リアは小さい放熱フィンの付いた NEXUS BR-IM31RF です。 電動アシスト車では定番?
 ・長い下り坂でブレーキを連続して使用されますと、ブレーキ内部が
  高温になりブレーキの効きが弱くなったり、内部のグリスがなくなり
  ブレーキの効きが急に強くなる等の異常が発生する場合があります。

 ・従来のバンドブレーキと異なり、ドラム内部にグリスが封入されているため、
  タイヤ回転がわずかに重たくなっています。(特に冬期)

 ・フロントインターMブレーキは、停車時にブレーキを強くかけた状態で、
  車輪を前後に揺すると、構造上、ブレーキ部に若干の遊びがありますが、
  異常ではありません。
                (シマノのマニュアルより/赤字強調は私)
               (揺すって車輪がガタつくのはリアも同じです)
 ローラーブレーキらしく制動力の立ち上がりがマイルドで、
どう効いているのか分からんような黒子です。
4フィンガーで引いてみても食い付き感は出ません。 16in. とは相性が悪いのかもしれません。
徹底的にショックレスで、フィードバックはレバーの反力のみという実感の無さ。
つまり、実感が無くても安全に効いてくれる製品。 手っ取り早くボケ老人になれます。

 オレは嫌だとか言ってもダメです。 INTER-3 はどうこうしようなんて考えずに使いましょう。
パニックストップは不得手な自転車です。 安全運転意識は自ずと高まりますが、
受動的に生じるものですので、16in. に求めたい軽快感とは不釣り合いな警戒感覚です。

(地面に足が届かないことが一番効いていますが)
 
 ほぼ同じ構成の嫁さんの YAMAHA PAS Babby un は、レバーの引きも軽く指掛かりも問題なく、
当然に前後共しっかり期待通りに効きます。 何と言っても電動アシスト子供乗せですからね。
前ブレーキは無印良品16型同様、強いトーインが付いた状態にシューが固定されてしまうタイプで、
角度調整の出来るシューが組み合わされています。
純正シューをパナソニックの同等品に交換しても効きはかわりませんでした。
どこで差が出るんですかね?  剛性を含めた4フィンガーレバーの実力??
   その他気になるところ
 ついでにサドルも交換
 ライディングポジションの調整により、乗り始めからサドルの硬さを意識することは無くなりましたが、
昨今の当てにならないパーツ市場を鑑み、気になるものならとっとと買っておこうかと思いなし、
VELO Voam VL-4254 を購入いたしました。
 クロスバイクなどに最適な
GELパッド内蔵ボアムシリーズのスポーツ用定番モデル
 265×160mm 370g±2%

・Voam (ボアム) はGEL内蔵でクッション性、座り心地に優れ、
街乗りからスポーツライドまで幅広く使用できるサドルです。
・VL-4254 は街乗り向けの乗り心地を優先したサドルです。
サドルレールは衝撃吸収にも最適なスチールを採用しています。

                    (メーカー説明)
 左・標準品

こちらもVELO製。
裏面はネジ、タッカー併用。
座面の広い部分を支えるレールの付け根が
座り心地の硬さを印象付ける主因か?
平板でゴツゴツした感触で、
この辺りは尻休めには使えません。
全体の作りは悪くないと思いますが、、、
 
 右・VL-4254

裏面は全周溶着処理。
レールのスライド代と座面のくびれは
標準品より後退しています。
 左・標準品

 右・VL-4254
 
高さと重さは似たようなもの。
 
 細身が効いているのか血流が阻害されるようなことは無くなりましたし、着座感も均質になりましたが、
期待の硬さそのものは変わらずといった印象です。
普通に硬くないだけで、GEL入りサドルカバーのような柔らかさはありませんし、
骨格をしならせるような構造でもありません。 いたってオーソドックスな標準となる一品です。
私の場合は、取付け角が限度一杯の最前傾となりました。
何だか偏った身体みたいで嫌な気分でしたが、よく観察するとサドル前半分が水平になっていました。
ぎりぎりセーフですが、シートチューブの角度に問題有り?
まぁ、見た目はカッコよくなりましたので、暫定的にヨシとしましょう。
気になることをやって納得した(これ大事です)だけとなりましたので、費用対効果は???
サドルは交換よりも調整の方がよっぽど効果的ですね。 そちらに注力すべきです。
よって元に戻す可能性も否定できず

 と、思っていたのですが、身体の方が馴染んでしまったのか、程なく不満は解消いたしました。
即効性はありませんでしたが、費用対効果は十分です。
ただし、謳い文句のように乗り心地が良くなったのではなく、不満が無くなった、です。
 チェーンとギア
 チェーンはひかりもので質感良し。 96Link です。
チェーンステーとチェーンとのクリアランスが不足気味(テンションを掛けた状態で 7.5〜8mm)なので、
チェーンの伸びに気を遣わねばならないことが唯一の懸念です。
そこそこ伸びるまで放っておけるような寛容さは算術的に無理な状態で、
チェーンステー上面の保護シールも決して保険ではありません。
リア 16T は薄歯ですから、軽量な9速用チェーンに交換するのも有りだとは思います。
 押し歩きの際には加重の無い後輪が跳ねてチェーンステーとの打音が出ますが、走行中は意外と大丈夫です。
 チェーンがフレームを跨ぐ位置が
保護シール前端となっていますので、
あと 15mm 程度前に貼ってあれば
安心なのですが。
一般的な定位置に貼ってあります、
という演出で、設定ミスですね。
もったいない。

 (この保護シール、材質不適かも。
 パーツクリーナーでねっとりします)
 クリアランス確保のためにはもう一回り大きくあって欲しいチェーンリングですが、質感が妙です。
全黒塗装なので判り難いのですが、
機械加工のシャープさというか、面の平滑さ・鋭利さが無いような刃先です。
これはひょっとして安全性を高めた今どきの仕様なんでしょうか? そんなわけないわ
チェーンラインの合ったシングルギアらしく歯の噛み合いが素直なせいか、
黒塗装もほとんど剥げませんし、実質的な不都合はありませんが、
ホローテック2タイプに三ヶ島のペダルといったこの自転車のハイライトに、
このチェーンリングだけが不釣り合いな感じです。
(安かろう悪かろうと言うより、良し悪しの基準がよくわからんデス)
チェーン仕様(左)とベルトドライブ仕様(右)のチェーンリング径の差はかなりあります。
18T×54T といった設定であればチェーンリングの半径は 1cm程度大きくなり、
クリアランス不足は解消すると思いますが、見た目の圧が強まります。
ベルトドライブ仕様がクリアランスを稼いでいるというのも皮肉なものですが、
チェーン仕様はその逆を攻め切っているというのも、対照的で面白いと思います。
ビジュアル的にも小径車の無理を感じさせませんし。
 異音発生
 まぁ、普通?にヘッド辺りからギィギィ音が。
ヘッドパーツとステムの固定は、かなりガッチリやってあるみたいなので、
折り畳みの固定レバーを少しだけきつくして可動部に注油して様子見します。。。。 治まったかも
 売れないかもしれない理由
● フレームが華奢で弱そう。

 クロモリフレームの特徴が理解されない悲しい状況。
無印良品伝統の一直線で纏めたデザインが仇となり、
メインフレームの細さが際立ちます。

 シンプル過ぎて何かもの足りない、
そこが不安に感じる訳ですね。
低重心にという理念は正しくとも、
かなり低いフレームには
確かに空き過ぎた不足感はあります。
● フレームに貼られたシールが異様。

 取説が貼られています。 そこら中に護符のように。
メインフレームの上面なんて、耳なし芳一 状態です。 おもわずたじろぐ防犯効果?
家電製品だって取説の完全シール貼り展開なんてやってません。
ひょっとして新たな行政指導でしょうか?

 ガンプラのディテールアップの様でもあり、
楽天市場の広告だらけのサイトの中の怪しいパチものの様でもあり、、、。
溶接跡もアルミフレームよりずっときれいなので、フレームのシンプルな美しさを活かしていただけませんか?
 見慣れると違和感は消えますから、
これをデザインとして眺めれば、
《 Tartaruga Type-F 》のグラフィックよりも
ずっとましです。
 
 でも、全部取っ払ってすっきり無印にすれば、
良品感がぐんと向上するのではないでしょうか。
無印良品ですし、
デザイン代わりの余計なものは不要です。
● たったの16in.が内装3段でどう走るのかが想像できない。

 ごもっともです。 どう見ても走らなそう、そうでなくても扱い難そう。
普通な自転車ならスルー出来る内装3段も、こいつがキモとなりそうでそうはいかない・・。
改めて考えてみるも、内装3段はよく分からん・・。
ペダル1回転で進む距離とか言われても分からんし。
何か考えんといかんの、これ?
● この価格で一般軽快車なのかスポーツ車なのか判然としないのは辛い。

 ストレートなフロントフォークでスポーツ車指向の佇まいを見せるデザインに
一般車の鉄板・内装3段変速のローラーブレーキ仕様では、ターゲット層がピンと来ません。
自分は買ってもいい層なのかどうか、無印信者であっても自信が持てないでしょう。

 これは上の内装3段の理解の問題が、適用範囲の問題に置き換わったものとなります。
買ってみないと分からないんじゃ、おいそれと手を出せませんね。

しかし、今のご時世にあって、INTER-3 のクオリティの高さは見直されるべきです。
スポーツ車に向いていないだけで、パーツとしては安定感抜群の逸品だと思います。
   内装3段変速ってどうよ?
許容限界的な遅さなれどそこそこ登りにも対応でき、万能的な使い勝手の良さを持つ XDS W5 との比較です。
 
ペダル1回転で進む距離を CATEYE の《タイヤ周長ガイド》を参照して計算します。
 
●XDS W5 4028mm =1055mm(14×1.75)× 42T/11T
     15km/h=ケイデンス 62、20km/h=ケイデンス 83

●無印16型 3585mm =1195mm(16×1.75)× 48T/16T -----(中速ギア)
     15km/h=ケイデンス 70、20km/h=ケイデンス 93

      4876mm =3585mm × 136%           -----(高速ギア)
     15km/h=ケイデンス 51、20km/h=ケイデンス 68

ママチャリ 4958mm =2169mm(27×1-3/8)× 32T/14T
 
 中速ギアでは XDS W5 に輪をかけておっそいのが分かります。 よって中速といっても常用外です。
無印良品16型の内装中速ギアは、半ば登坂用といったところでしょうか。

 常用ギアとなる高速ギアは、ママチャリとほぼ同じ(26in.と 27in.の中間)になります。
これは、16in.車の設定として適切なものだと思われますが、
やはりママチャリな漕ぎ方を前提にした常用ギアとなります。 まぁ、やむなし。
割り切ったシングルギアの XDS W5 と比べると、合っているような、そうでないようなストレスを感じます。
車重や内装変速とローラーブレーキの抵抗で、キレが悪いせいでしょうか。
 
 思い起こせば内装3段の踏み応えは、みんな軽すぎるか重すぎるかだったような気がします。
より軽くできるか、より重く(速く)できるかの選択肢が提供されているだけだったような気がします。
Tartaruga Type-R の DualDrive のように外装変速と組み合わせないと快適運用はできないでしょう。
であるなら、これでもいいか? ステップ比の大きさを考えれば意外とここらが落し処かもしれません。
170mm のクランクとしっかりした三ヶ島のペダルが良い助けとなっています。
 ( XDS W5 は165mmと樹脂ペダルで全く問題ありません )
 
  それ以外の要素で身を成り立たせていました。
  まぁ、自転車としてはズルをしていた訳です。
 自分に合ったギア比となる状況は一時的な偶然でしかありませんから、
内装3段変速は趣味としての “走り” にはやはり不向きです。
疲れをコントロールするギアが無いのでは、足を延ばせません。
Tartaruga Type-R はギア比を合わせたものの、
“走り” は芳しくありませんでした。
両車とも根幹的にどうにもならないのですが、
比べれば無印良品16型の方が、走りっぷりがず〜っと健全で、好感が持てます。
何だかんだ言っても、ズルの無い自転車にはそれなりに楽しいものがあります。
負わされるものが無いというのは、気持ちが良いのです。
 ところでケイデンスってどうよ?
 「ケイデンスは 90 が良い」という定説があります。
ロード乗りにとっては乗れてるかどうかの審判の分かれ目となりますが、
内装3段変速には関係なさそうですね。 適用外です。 (^_^;)

 ●シティサイクル(ママチャリ)= 50〜60
 ●クロスバイク = 60〜80
 ●ロードでサイクリング = 70〜100

と言った、リアルに思える情報に従えば、こちらは 60 rpm が目安となりましょう。
酸素摂取量の面から最も経済的 (https://note.com/ak1986/n/n4682d3b94cb1) だそうです。
60〜70 rpm で 15〜20km/h をカバーしていますから、やはり適切なギア設定だと思います。
 ペダル回転数の意味合い           自転車探検! (https://jitetan.com/pedal_rpm.html)より
 ペダル(クランク)回転一定で走るのが効率的な訳だが、
その一定回転数は体力差などにより個人差がある。 また、サイクリングと競技では回転数が異なる。
風が強くない平坦路におけるペダル回転数は、一般には表1のようであるが、好みや個人差があるので目安。
自分に適した回転数を決めるのが望ましい。 エネルギー効率の高い 70 rpm 前後が標準的な回転数。
坂道および強風の向かい風のときは、ペダル回転数を下げる。
 最適回転数はクランク長によって変わる。 クランク長が長いと最適回転数は低くなる傾向にある。
 
表1 ペダル回転数の意味合い
ペダル回転数 意味合い
〜40 rpm  変速機トップでこの回転数だと、筋肉の負担が大きい。
50 rpm  マウンテンバイクでの登坂に適当。
 普通歩行と同じリズム。普通の歩行数は毎分50歩行(右1歩+左1歩のサイクルを1歩行として)。
50〜60 rpm  変速機なしのシティ車(ママチャリ)に適当。
60〜70 rpm  変速機付きのシティ車やマウンテンバイクに適当。ロードバイクの登坂に適当。 60 rpm は1秒間に1回転。
70 rpm  エネルギー効率が最も高い。 サイクリング、通勤および旅行に向いている。
70〜80 rpm  クロスバイクやランドナーに適当。
80〜90 rpm  長距離競技用。 ツール・ド・フランスの競技者の多くがこの範囲。
80〜100 rpm  ロードレーサーはこの範囲が適当。 ランス・アームストロングは低ギア比の 95 rpm で長距離の坂道を登った。
0〜100 rpm  この回転数範囲では、ペダルに加えることの出来る力の大きさはほぼ一定。
100 rpm  タイムトライアルはこの回転数の人が多い。 ほとんどの長距離時間記録は、この回転数で出ている。
 その平均は約 103 rpm。
100 rpm〜  100 rpm より回転数が上がると、回転数の上昇と共にペダルに加えられる力は減少していく。
 ペダルの速さを追って力を加えることが困難になっていくため。
120 rpm  この回転数から上では馬力は低下していく。
 INTER-5 なら全てを解決する かも
 段数を増やして、INTER-5 なら脱・ママチャリの説得力があって受け入れやすそうですね。
でも、スピードとケイデンスの関係とか、自分なりに判断できる情報が無いと、
段数が多いというだけでは内装変速には手を出し難いものがあります。
ママチャリ風情の問題ではなく、趣味の自転車なのにどんな走りになるのかがよく分からない、といった
リスク回避の判断が自ずと働くということかもしれません。
 
 下・左図は、内装変速機のギア比(図中の緑字、青字)を WEEKEND BIKES(下・右画像)と比較したものです。
WEEKEND BIKES の 20T と INTER-3 の中速は、ペダル1回転で進む距離がほぼ等しくなりますので、
これを基準に、内装変速機のギア比をスプロケットの歯数に置き換えて(下・左図下段)比較しています。
 

  INTER-3 14.7 T / 20 T / 27.3 T

  INTER-512.9 T / 15 T / 17.3 T / 20 T / 26.7 T

  MF-TZ2114T・16T・18T・20T・22T・24T・28T
  あさひ WEEKEND BIKES 20-G 20インチミニベロ
   タイヤ 20 × 1.5
   ギア 48T × シマノ7速 14-28T (MF-TZ21)
         税込\39,600-(本体\36,000-)
  緑字=SG-3R40、青字=SG-5R30 で 1 がLowギアです。
 https://potteringood.com/talkaboutcustom/inter5forworkingike/ を参照
 
 この比較では、INTER-3 は、MF-TZ21 をまんま3速化したような感じですね。
20インチの7段変速を、16インチの3段変速でカバーしているのですから、
これはもう極端同士と言ってもいいような気がします。
WEEKEND BIKES の普段使いの良さが窺えます。
 
 INTER-5 においては、Lowは離れた登坂お助けギアといった位置付けのようですが、
それ以外の常用域ギアの繋がりは、まずまずといったところでしょう。 脚休めはしやすくなりそうです。
 
 Web上には「5段変速といっても 1-2速は3段変速と変わらないのだから・・」
といった否定的な評価もみられますが、
INTER-5 は INTER-3 をきっちり使いやすく展開したもののように思えます。
また、RAPIDFIRE のシフターが選べますから、ハンドルの調整域が広がります。
 
 皮算用を続けた結果、まさに良いこと尽くめな様相ですが、
価格はさておき OLD が大きいので換装は無理ですね。
ベルクランクの出っ張りが無くなるので、全幅も却って小さくなって良さそうに思えるのですが、
肝心の INTER-5 が絶滅種っぽいですし、残念。
また、INTER-5 でもどうせ文句は出るでしょうから、
長い目で見れば INTER-3 で潔く留め置く方が賢明かもしれません。
食指が伸びない INTER-3 も、繋がりが悪いだけで使えないギアはありませんし、
乗り慣れる類のものにはなっています。
   とりあえずの車評 (何をえらそうに)
 XDS W5 は自分のペースを通せるエクササイズマシンでしたが、
こちらは内装3段に合わせなければならないトレーニングマシンとなり、負荷が増えました。
 
 また、予想以上にココロしてかからねばなりません。
それなりの状態(といっても最良の状態ということになりますが)に仕上げる手間と見切りを要します。
本来、そんな息苦しいものを突きつけられるようなカテゴリーの出自ではないと思うのですが、
そんなところがオモシロイといえばそうかもしれません。
 
 価値観の置き処がなかなか定まらず、悪しく個性的な初期の硬さもあって、人を選ぶでしょう。
が、在りそうで無いものを(期待値としては)真っ当な品質で世に出した無印良品は評価さるべし。
 
Tartaruga みたいにどうにもならん部分を背負いながらの脱日常というものではありませんから、
調整を完遂させれば平穏に運用できますョ。 はじけませんけど。