〜 何がしたかったのか?〜
Type-F 新型シートフレーム 〜 第二次構造改革の負の遺産
新型シートフレームの目的についての考察です。 適当に読み流してください。
 (2015/06追記)
 新型シートフレームの理解には、パニアラックの存在を知る必要があるようです。
みなさんはご存知でしょうか?
 
 パニアラックの情報は本家サイトから提供されたことが無く、
私は Type-F を手放した後も長く知らずにいました。
いつから存在していたのか分からない(2008リリース?)謎めいたパニアラックですが、
その構想が最初からあったことを認めなければ、
この ver. 1.5 以降の標準となった新型シートフレームは、理解しがたいものとなります。
   これが新型シートフレームの目的? 〜実はこんなものが開発されていました
(サイクルハウスしぶや より〜)

 サイクルハウスしぶや オリジナルパーツの「Tartaruga Type-F 用 パニアラック」だそうです。
これなら「ユーザーのアイデア次第で、これ以外にも様々なカスタマイズが可能です」と言えます。
 
「バッグ」と「バック」を混同している処を見ると、本家製作のチラシでしょうか?
 しかもバラして輪行するつもり?  これなら何処へだって行けちゃいます?
 ついでにフロントキャリアも欲しくなりますが、輪行バッグには収まらない?
 でも、せっかくですから得したついでに実費購入しちゃいましょう ! まいどありっ !
マエストロ店による本家代行のリリースのような様相ですから、 
これが第二次構造改革の骨子と見て間違いないでしょう。    

(とは言え継続生産品ではなさそうですし、在庫処分な様相でもあります)
注)
 購入特典は2014年12月のサイクルハウスしぶや Tartaruga 試乗会限定のものとなっています。
 プロダクトデザイナー吉松尚孝氏をお迎えしての試乗会です。
 また、現在パニアラックの取り扱いはありません(終了したという事でしょう。税込\10,260-でした)。

注)
 LORO の試乗車もパニアラックを装着しているみたいです。 あちらでも取り扱いがあったのでしょうか。
 まぁ、そういうことなんでしょうねぇ。

ナンカ    シテ  ナカンジ  ル。
   パニアラックとサドル位置
 サドル直下で張り出すパニアラック。
これ以上サドルの幅広部を後退させるわけには
いかないようですね。
そういう意味ではよく?考えられた?
サドル位置です。
 
 背もたれの位置はラックの前後長の都合で
 従来通りで済まされました。
 
どう見てもパニアバッグを装着するためだけの設計ですよねぇ。
 快適に走ることよりも後付けのオプション優先なフレーム設計。
Type-R と同じで現実そっちのけの本末転倒ですね。 多機能も基本あってのことでしょうに。
パニアラックを前提として初めて成り立つ構造改革なのであれば、
パニアラックはシート部のみ標準装備にするべきですよ。
 
ご近所な生活圏から離脱する際のちょっとした手回り品さえ、工夫しないと載せられませんからね。
取り外し可能な引っ掛けが付いていれは、ゴム紐が使えて何かと便利でしょうし、
「ユーザーのアイデア次第で・・」というのは、ここから始まるものだと思います。   
専用サドルバッグなんて気が利いています。 希望が持てそうな気がします。 
大仰にパニアバッグを載せるのはその先のことでよろしいでしょう?  
   最重要課題は Type-S の固有種化?
 Type-S はご存じのように Pacific社と共同開発(ではなく一部協力だったと思いますが)したという
マルチブランド車 “REACH” の、Tartaruga ブランド販売品です。
そのため、Tartaruga であることの意義はマルチブランドな車体そのものには存在しませんから、
専用オプション群を豊富に開発して、Tartaruga 度数を上げることにしたのでしょう。
 これについては Type-R のことも少し考えてみた方が良いかもしれません。
Type-R は、bikeE のデッドコピーであることを、
電動アシストやキャノピーシステムといった、トンデモナイ装備展開で乗り越えようとしました。
本体以外のモノを肥大化して祀り上げて、既存のものにはない価値を授けて、
それを逆輸入して別物に成り済ます、という実績が既にあったのです。
 Type-F を連帯保証人に
 それを既存の Type-F にも敷衍すれば、とにかく Tartaruga の独自性として認知されますし、
そうなれば Type-S も Tartaruga の固有種に化け易くなります。
新型シートフレーム=ver. 1.5 と Type-S は同じ 2005年の登場ですから、
両車の間でオプション展開に共通性を持たせる構想があったとしてもおかしくありません。
 一族郎党みなパニアラック
 ご参考までに、Type-R & RE 専用パニアラック(\14,000-/税込\14,700-)です。 (旧・本家サイトより)
画像には「Paniarack for Type R, RE」と英表記が付けられていましたが、Pannier ですよねぇ〜。
 画像・右が、専用アクセサリーアダプターとして二個セット(\13,300-/税込\13,965-)で販売されていました。
「あなたのオリジナルアイデアで、様々なアクセサリを装着する際に、御使用ください」だそうです。
言っていることは拡張ボスと同じなんですが、こちらは使用法がはっきりしていますから問題ありません。
 こちらは Type-S DX です。 (本家サイトより)

最高の街乗り車は最高のランドナーだそうで、
立派なキャリアがバッチリ決まっています。
もちろんパニアバッグも装着可能です。

Type-R と Type-S の中間形態な Type-F にも
そんなオプションがあれば統一性が生まれ、
ブランドイメージを高めることに・・。
 
   E-VEHICLE と称する独自性を持った
     多機能自転車のブランドとして。
 Type-F も “進化” と称して Type-S に歩調を合わせるために、くどいグラフィックを捨て、
フロントキャリアやパニアラックを始めとする “積載能力の追加” と相成ったようです。

 ver. 1.5 には拡張ボス以外にも 65PSI高圧タイヤの採用など、
パニアバッグ積載への対応と考えられなくもない変更点があります。
第二次構造改革の目的は、
パニアバッグを積載するためのプラットフォームに改修することに尽きるようですね。
 しかしながら Type-S との同時進行の都合で同調化はフロントキャリアまで、
ダメ押し的なパニアラックのリリースは先送りとなり、
拡張ボスで装備可能というポテンシャルを持たせるに留まります。
できれば、そのポテンシャルの高さを何とか提示したいところなのですが、
実体が無いままでは、「アイデア次第で」としか言えない。
・・・そうであったとしても、Type-S の旗持ちとしては十分な転身振りですね。
 
 そんな裏事情があったかどうかは定かではありませんが、
Type-F ver. 1.5 においてはオプション装備に対応することが絶対目的と化しており、
その他の部分が犠牲になっても知らん顔です。
たとえそれが少しの手間で回避できるようなことであっても。
 毎度のことではありますが、残念なことです。
 
後年、Type-S を残して REACH はモデルチェンジしましたから、Type-S の固有種化は名実ともにめでたく完了。

新型シートフレームは そんな Type-S に統一化する手法に絡み取られてしまった、
遊具が本分である Type-F の末路の象徴といえるでしょう。

 
やめんかい !
  ・・・ なるほど。 結局、
元がパシフィックの Type-S を、               

SPORT よりも SUV という閃きに乗り換えて、 

  元が電動アシストのママチャリな Type-R も、  

ついでに元祖 娯楽単能の Type-F までも、     

ロングツーリングに対応できる「本格派」に仕立てあげてしまったわけですね。  
新しい乗り物で通せなくなったら  
Tartarugaのアイデンティティーと称し、
てんこ盛りの装備で野外自然派に転身するおつもりでしょうか?
   パニアラックの現実性が問われるわけですが
 「日常生活の中に Entertainment を」な、日常生活の中で日常を離れるための、
あえて自転車とは呼ばなかった乗り物に、
日常から完全に切り離された、つまり専門的とか本格的とか言い換えてもいいんですが、
そんな自転車旅行をこなす装備をあとからねじ込んで、収まりがつくわけがありません。
そんな器ではないでしょう、これ !

 折り畳める  輪行できる  遠くへ行ける、と三段跳びに変化して現実から遠い結論だけを偏重して、
遠くへ行くには荷物も増えるからと、娯楽用自転車にランドナー並みの積載力を無理強いしています。
遠くへ行けるのは輪行するからですよね?
すぐに尻が痛くなりますし、ランドナーには全く向かないでしょう?
 
 理想を建てれば、その実現方法を拙速にまとめ上げて、
不都合など意に介しない体質は、Type-R に通じるものを感じます。
現実の改善を放り出して夢を語るクチ。
メーカー自らが本道を外れて改造にのめり込む末端マニアと化しているようです。
これはもおデコレーションやおまへんか?
 とにかくいろんなモノを付けてみたい。 そんなフル装備がカッコいい・・・。
そんな昭和の価値観と言いますか、豊かさへの憧れみたいな気配が漂っているような。
別に本気モードでランドナーするんじゃなくて、
装備を取り付けるのが、とても満足感があって素敵なわけですね。
ちょっとびっくりです。
もうとっくに本物志向な時代になっていると思っていましたから。
どれもこれも ちょこっとカッコよくイージーに取り付けられるだけで、
その先の実用性や利便性なんて、きちんと検証されているのか疑わしいでしょう?
チラッと Type-S も頭の中を行ったり来たりしているんですが、
いまだにごちゃごちゃしたデコチャリ志向が健在で、
メーカーがそれを本格的と称して中途半端なままやっちゃうんですね。
 
 Emotional とか Entertainment の中味がそれってことです。  

ああ〜、なるほど、そういうことなら分かります。   
着せ替え人形みたいに楽しめる自転車っぽい乗り物。    
裸じゃダメなんで何か着せとかなきゃならんようなやつ。  
オイラのたるたるちゃんは〜〜 とか言いながら、ね。   
   ver. 1.55 で方針転換?
 新型シートクランプ
シートクランプ部の
設計を大幅に変更して、
リングタイプのQRを
採用しています。
これにより、
シートの抜差しが
スムーズに行える上、
抜差しを重ねても、
クランプ部フレームが
変形して、
抜差しがきつくなる事も
抑えられます。
(旧・本家サイトより) 

 パニアラックと時を同じくする?
ver. 1.55(2008〜)の改良点の一つです。
(それでも全ての加重を受け止めるには
 心もとない気もしますが)

フレームの補強も施行されていますよ。
 他に ver. 1.55 に至って変更されたのが
65PSIタイヤ & 不明なホイール  90PSIタイヤ & ALEX ホイール、ヘッドセットですが、
これは細部が詰められたということなのか、
売れ行き好調?な Type-S にさらに寄せるドレスアップに舵を切ったのか?
これならパニアラック無くても良くね? みたいな (それで作り置きを放出?)
 
 ver. No. は 1.5 を継承しているものの、
実質的には計画途中でパニアラックを放棄した「転換点」となっているのではないでしょうか?
いや、計画を修正したという意味なら正確かもしれませんね?
   第二次構造改革失敗 〜 え? いつも通りですよ
 
 結局 パニアラックは限定販売されただけで、ひっそりと拡張ボスへの言及も消え去り、
《パワーサポート》も売り切り御免の継続生産無しという有様では、改革は失敗と言えましょう。
 何のための新型シートフレームだったのか、ホンマ、ようやるわ !
 
 しかし、ついには《写真撮影に最適な自転車》に転身して、、、
どうやら天下を取ったらしいです・・・。

片や Type-S は「進化」の果てに 釣り竿キャリアーに「深化」したそうです。 ことば遊びがお上手。
 
 まぁ、Type-R のディスクブレーキだって計画倒れなようでいて、
LORO から一時換装パーツが用意されたりしていましたから、
本件も毎度お馴染みなパターンのようですね。
 事の質が違ってはいますが、、、、
 
 新たなサドル位置とそれに支配されたライディングポジションは、
パニアバッグを積んだタフガイな放浪スタイルに対する妥協であることは確かでしょう。
でもそこが理解できれば何となく楽しいでしょう?
アーバンスタイルなままでも夢は現実を超えることができます。
拡張ボスは夢の発動点なのです。
ユーザー各位には、最適化を放棄されたなかでも楽しさを見失わない努力が求められます。
 
ご購入の志をまっとうされての解脱をお祈り申し上げます。  
残念だったな