Type-R その他 |
フレームカラーのお話 〜 朱と薄墨 | ||||
フレームカラーは Type-RE が「朱」のみ、Type-R が「朱」と「薄墨」の二択です。
同じ「朱」であってもRは真赤(原色レッド)で、「薄墨」は無彩色とは程遠いきらびやかな色です。 なぜRが現実にそぐわない色名を使うのか、その理由を考えてみたいと思います。 |
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まず、フレーム構成を日本の伝統建築になぞらえた流れの一環として、朱塗りの色が設定されます。
これは、Type-F のイメージカラーである “ボンバーオレンジ” の言い換えといったところでしょう。 次に、主力販売グレードRに必要なカラーバリエーションとして「薄墨」が追加されたのですが、 薄墨と言えば葬式だと気がついて、極端なイメージ転換を計ったのか、 なぜか化粧品のパレットに入っていそうな、お派手に明るいパールカラーになってしまいました。 (いらかのイメージだと言われれば納得できなくもないような・・・) 理由はともあれ、「和」を捨ててしまいましたから、「朱塗り」の朱色と並べると色の質が違い過ぎます。 そこで、朱色も「和」ではない原色レッドに変更して対処することに。 情熱的なまっ赤に乗り換えです。 これなら大丈夫でしょう。 特殊需要的な RE は一色展開なので、本来の朱塗りの「朱」が採用されています。 |
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元を正せば、「薄墨色」と言えばいいところを「薄墨」と格好をつけたせいで葬儀マナーの話になって、
朱色まで巻き添えを喰ってしまったわけですね。 しかし、「薄墨色」に合わせて「朱色」としてしまうと、音の響きが小学校低学年のようですし、 はんこの色とか習字の添削といった、どこかの伝統建築よりもずっと身近な具体性を帯びてきます。 最初は「朱」と「墨」だったのが、習字の添削みたいなので「薄墨」にしたのかもしれませんね。 「〜色」という色を特定するだけの名称よりも、 その色のある情景を示す表現の方がイメージを広げ易く好ましい、といったところでしょう。 |
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もはや和を捨てた以上は 〜〜Red とか 〜〜Gray とかに改名するのが正道なんでしょうが、
発端となった「伝統建築フレーム」という閃きは手放せず、そこはぜひとも強調しておきたいところです。 何と言っても元ネタの bikeE がストレートにアメリカンテイストですから、 こちらの独自性を打ち出すには格好のセールスポイントというか、目眩ましになります。 とにかく実際の色がそうでなくとも、 時代が時代なら、和訳すれば「朱」と「薄墨」でいいじゃないかと押し通さねばなりません。 |
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そういった無理を承知していますから、「日本の伝統建築」と単刀直入に言い切れずに、
「東洋、(その中でも)特に」というイメージの広がりを持たせる逃げ口上を付け加えた上で、 「伝統的な建築物」と抽象性の高い言い回しをしています。 しかし、デザインコンセプトを「特に日本の伝統的な建築物」と最終的に限定している以上は、 それ以外の東洋を持ち出してもしかたがありません。 「東洋」が宙に浮いています。 であれば、これも「bikeE=アメリカ=西洋」を払拭するための「東洋」でしょうか? このデザインは「新興アメリカを真似るニッポン」の技術ではなく、 「伝統ある東洋の日本」の様式が生み出したものでなければなりませんからね。 キレの悪い日本語になってしまったようですが、気持ちは伝わってきます。 何となく。 ![]() 以上、想像ですので念のため。 話は変わりますが、「朱」とか「薄墨」とか言われると、平板な背もたれが戦国時代ののぼり旗に見えてきませんか? |
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伝統建築フレーム 〜神社・仏閣と言うよりも鳥居? | ||||
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![]() “岩木山神社の鳥居” (著作権:kisaragitsuanさん) |
キャノピーシステムは誰のもの? | ||||
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旧・本家サイトより |
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R専用とされてはいますが、キャノピーシステムも RE でこそ苦にならない装備だと思います。 | |
bikeE に電動アシストだけでなく大屋根も付けるとなれば開発と呼ぶに相応しい?でしょうし、 ディスクブレーキも多少は現実味を帯びてきます。 さすがに総額 \356,000-(税込\373,800-)というのはつぎ込み過ぎですが、 オプション設定をRに限定する理由にはなりません。 RE は型式認定が必要ですから、そちらで何か不都合な事情があるのかもしれませんね。 あるいはキックスタンドが脆弱で、電動ユニットとキャノピーシステムを同時には支えられないとか、 抵抗増で航続距離の不足が深刻化するといった現実的な問題があるのかもしれません。 リニューアルされた本家サイトでは、RE は「新しい時代の自動車」と銘打たれています。 昨今の二代目プリウス一色のハイブリッドカーブームに、 乗用車的運転姿勢と電気つながりで便乗しようというのは無茶を感じます。 やはり「屋根付き+電動アシスト」が本来目指していた姿だったので、 こういった表現に結びつくということでしょうか。 ( 自転車が自動車になるなんて、なんだかユートピアすぎて何言ってるのか分からないんですが) |
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bikeE (http://www.mueller-hp.com/bikee.htm より 〜リンク切れ) | ||||
![]() (左) 旧・本家サイト より
(他) http://www.loro.co.jp/rec-tar-r-canop.html より
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たしかにすごいとしか言いようがありません。
これでいったいどうしろというのか、思考停止状態です。 ここまでくるとお賽銭放り込んで拝みたくなります。 まさに日本の伝統建築です。 異様な高揚感に包まれてビッグな気持ちになって、 おとうさんは大はしゃぎしてしまいますよ。きっと。 そっと笑ってお見送りさせていただきます。 実用に供する場合は、 頭の後ろのカバーに「日本一週」とか、「お先にどうぞ」とか入れてみてはどうでしょうか。 「湯」、「酒」、いろいろ応用できます。 NGワードは「罰ゲーム」です。 「配達中」もだめです。 労働を愚弄してはなりません。 また、新入社員の研修に供すれば強い精神力が培われるかもしれません。 選挙遊説にも有効でしょう。 |
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なるほど活用範囲は広がりそうです。 でも停めておくのは大変でしょうね。
社寺仏閣ではおみくじや絵馬を結ばれかねませんし、 風が吹いたりすればサイアクな事態にも。 自転車そのものが曲芸です。 |
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ここに込められた情熱は、
bikeE の焼き直し作業である自転車本体に勝るとも劣らないのではないでしょうか。 何といってもこれこそが E-VEHICLE Tartaruga の証であり、主役なのです。 主役たる “電動アシスト”、“キャノピーシステム” 実現のための設計ベースは既存の bikeE であり、 それを Tartaruga らしく誂え直す作業は単に商売上の必要にすぎません。 それが露見しないように良くやってはいます。 そこに設計者の誠意を感じないわけではありませんが、 如何せん、出番のない主役と主役の力量のない脇役ではどうにもならないのではないでしょうか。 |
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ディスクブレーキは何処から何処へ | ||||
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丁寧によくまとめられたフロント周りです。
ブレーキ台座を斜めにして乗り切っています。 シューも斜めです。 小径の厳しさがいっぱいの状態で、どこにも余裕なし。 ![]() Type-F 譲りのフォークを十分に活かしきっています。 |
が、 まんま bikeE AT にして、唯一の相違点であるディスクブレーキ台座に関しては、
どうにも見通しがよくありません。 かつての Type-F DX で製作実績があるというだけで、 どこに台座の必然性があったのか、いまひとつ掴みどころが無いのです。 以下にディスクブレーキ想定の要因を ![]() 1)ダミー 2)アップグレード用 3)保険 4)バリエーション展開用 ![]() の点から考えてみたいと思います。 |
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台座は bikeE の進化版であるという主張のために 〜 ダミー | ||
Type-R が、Tartaruga 製の bikeE AT であることは間違いありません。
パニアラックやアクセサリーアダプターといったオプションも同じように揃えて、 bikeE AT に成り代わるものであることを明確に打ち出しています。 Tartaruga によって更に進化させられた bikeE AT として。 進化と言っても現実的な部分は bikeE によって完成されているので、 電動アシスト化とキャノピーシステムということになってしまいました。 素の bikeE な部分をきちんとブラッシュアップしておくのが後発の本道なのでしょうが、 そういった自転車設計の専門家の意地みたいなことはスルーして、 つまり現実の世界で理想を追うのは面倒だから目をつぶって、 大金をつぎ込んでもどれほどの役に立つのか分からない変なものを理想化して、 彼岸の世界に行っちゃったんですね。 でも、彼岸の世界のそんな大げさなものだけが bikeE に勝っていてもだめですから、 現世の素な Type-R の状態でも、何か bikeE 以上のものが欲しいわけです。 で、それがディスクブレーキマウント。 本来ならばディスクブレーキが相応の車格なんですが、 ベースグレードらしく価格控えめに装ってみました。 みたいな遠回しの表現。 |
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でもダミーですから、本当は何の根拠もありません。
何か欲しい人は彼岸へどうぞ、というあの世からのご案内です。 |
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どう見ても bikeE なものをわざわざ出すには、それなりの理由がある、
それほどのポテンシャルと発展性を秘めています、という主張です。 まぁ、とにかく表現の自由ってやつですね、これは。 |
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本当は《![]() ![]() ![]() Tartaruga のアイデンティティになりますし、あれこれ省略・節約出来るでしょうし、 bikeE と Type-F に適当な格差をつけるための安全で手っ取り早い選択。 本当にディスクブレーキを実装する気など無し。 序列の構築には可能性だけで十分事足ります。 とにかく格上に見えればよろしいのです。 これ、大正解。 |
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本家の言い分は自由にアップグレード 〜 BBSでやむなく言及するも |
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旧・本家サイトBBSより |
メーカーとしてはディスクブレーキは不要と判断しているが、
ユーザーとアフターマーケットのために台座は用意しておいた、ということでしょうか? |
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![]() みんなハッピーになれますよう、お祈り申し上げます。 |
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型式認定を受けた Type-RE は、買った後で勝手に弄られては拙いのか、
キャノピーシステム同様、ディスクブレーキ化の話は Type-R に限定されています。 |
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手前がディスクブレーキ対応ハブです。 小売価格はどちらも同じ。
Type-R なら見た目の違いもさほど気にならないでしょうし、 最初からこちらが付いていても一向にかまわないんですが。 (画像は http://www.aliexpress.com/ より) |
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いつ頃から「電動アシスト」=「ミッドシップ」「プリウス」、
「屋根付き」=「クルマ的全天候運用」、 といったリカンベントとクルマの重ね合わせを描いていたのかは分かりませんが、 (要は自転車の土俵での勝負を避けるよう目線を逸らさせる?) まぁ、クルマに連なるアイテムとしては押さえどころでしょう。 ディスクブレーキ自体は自転車のアップグレードでしかありませんが、 そういうらしからぬ大仰な装備と組み合わせて 自転車の次元を超えた夢を見るのも “Entertainment” です。 つまり特撮戦隊モノの未来的なクルマの夢をこっそり大人が、みたいなです。 ハイ。 ご自由にどうぞ〜。 |
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制動力が足りないかも 〜 そんなアナタは走らせ過ぎです | |
フロント周りの厳しい条件下に押し込むために、
Vブレーキはアームの短いものが選ばれていますが、やはり制動力の面では不利です。 電動アシストの RE や、キャノピーシステムに対しては、 雨天時を含めてもう少し制動力に余裕が必要かも。 けっこうリアルで分かりやすい分、説得力はあります。 ただ、正論としてはディスクブレーキという形式だけで制動力が増すわけではありませんので、 機材の選択を含めてユーザー判断となります。 制動力不足ってメーカー責任だと思いますが、 「アップグレードの自由」を準備して上手くユーザーに丸投げしてます。 |
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Type-F と同じラインナップでいいじゃないか 〜 在る物に倣えば大丈夫 | ||||||
拙速に、当時の Type-F のラインナップのスペックを踏襲した、
以下の様なバリエーション展開を考えたというシナリオです。 |
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開発目的である Type-RE からの派生バージョンを、
唯一の経験値である Type-F と同じ手法で展開すればこうなります。 ディスクブレーキでコピー元の bikeE AT よりも少しいいモノ感を出したデラックス仕様、 日本発の安心を入門価格で実現し、デラックス仕様への道が開かれたスタンダード仕様。 問題は主力となるスタンダード仕様です。 ただの8速では Type-F と同じ土俵、走り具合は良くてもどっこいでしょう。 車格の違いは「重くて高価なだけ」になってしまいます。 これはいけません。 本格的リカンベントの高効率なペダリングで何とかなるはずだったのかもしれませんが、 そこは bikeE 以下のレベルで重さだけは bikeE 以上、という困った出来栄えでは、 リカンベント神話は成り立ちません。 ![]() 素の自転車としての走りが劣るようでは、 電動アシストはそれを補うのが目的だろうという事になり、どちらも魅力を失ってしまいます。 これではお話になりませんから、走りの底上げのために DualDrive の採用と相成ります。 ![]() しかしスタンダード仕様に DualDrive を持ち込んでしまったせいで、 価格を抑える手立てを講じる必要に迫られ、 やむなく Type-F とチェーンリングを共用することとなります。 明らかに bikeE であるものに 56T は大き過ぎますが、 必要な減速比は DualDrive でカバーできますから平気です。 こうなるとスタンダード仕様とデラックス仕様の違いは、 ディスクブレーキとエアサスだけになりますし、エアサスは単品購入で簡単に交換可能ですから、 デラックス仕様の実質的な存在意義は失われ、この仕様は廃棄されます。 かくして電動アシスト仕様とスタンダード仕様のみが世に産み出されました。 正規ラインナップからは消滅しましたが、 デラックス仕様の構想自体は、廃棄されずに温存されていたことが、 上の本家BBSのオプション設定の表明から窺えます。 ディスクブレーキ台座は幻のデラックス仕様の名残であり、復活のための布石だったのですが、 Type-F DX が消滅したように、こちらも完全消滅したわけです。 、、 このシナリオはいけそうですよね。 |
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Type-R の三種の神器 〜 キャノピーシステムと電動アシストとディスクブレーキ | ||||
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クランク長の謎 | ||||
Type-R を見れば 〜 ワイルドだろぉ〜 | |
一見すると Type-F と同じクランクセットですが、クランク長は 5mm のショート化です。
後輪は Type-F の18in. に対し20in.と大径化し、車重も増加していますから、 クランクセットの共用を捨ててまでショート化する必要はないはずです。 理に合わない設定です。 絶対に Type-F のようには踏めません。 ![]() ここで、Type-F (= R&M BD-1) を基準に Type-R のチェーンリングの適正歯数Xを考えれば、 X=56T×ホイール径の差 (18÷20) × クランク長の差 (165÷170)=49T となります。 さらに車重の差を考慮すれば、Type-RE と共通スペック (48T×165mm) で問題ないはずです。 しかしながら、DualDrive が採用された結果、 チェーンリングは Type-F と共用して済ますという出鱈目が可能となったのでしょう。 えっちらおっちらボートを漕ぐように踏めば楽しい、、か? |
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Type-RE を見れば | |
サンスター技研の汎用電動アシストユニットのクランクセットは 48T×165mm です。
これに合わせた車体設計(前輪/Vブレーキとの干渉回避)がなされたのであれば、 Qファクターが小さい分不利になる Type-R にも、165mm が引き継がれなければなりません。 《→参照》 |
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Type-RE で設計完結しています。
RE が後発・電動化バージョンであるという先入観にとらわれて Type-R を基本にした視点で理解しようとする努力には無理があるようです。 |
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キックスタンド 〜ひ弱な長脚は手で優しく 〜要介助 | ||||
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無いと困るものがこれでは困る | ||
Web上ではもっと太いヤツをよく見かけますから、
これは最初期の評判の悪かったタイプかもしれません。 風に吹かれてゆらゆらとひ弱にしなるガガンボの脚。 保管時に使う気にはなれませんし、走行中はガタピシ音の発生源でもあります。 真横の突っ張る位置を通り過ぎてかなり前に脚を着きますから、そりゃ長くなりますし、斜めですし、 もうへし折られそうな状態です。 |
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![]() 私の場合は、タイヤが太いことに加えて、 エアサスの取付け長が長いためにスイングアームの傾斜が増し、 キックスタンドの前方への振り出しが大きくなり、より脚を長く、より不安定な角度へと 事態を悪化させています。 元々が不安定なので、悪い方へ振れると影響が倍増するようです。 ![]() |
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実際には、まず脚を斜め前方まで出し(普通は横に降ろす)、必ずゆっくりと接地させてから そっと車体から手を離します。 するとぐわんと弾性を感じさせつつ車体はさらに傾きを強め、地面に着いていた脚先が前にずれます。 車体はぐわんぐわんしていて、押さえ込んだらどこで止まるのか判らないような手応えです。 停めておいたら興味半分に触られるような状況は、かなりやばいでしょう。 径の太い強化版に交換しても強度不足に変わりないという報告もありましたから、 突っ張れる位置を外して脚を着くという根本的な問題は、救いようがないようです。 このデザインでは、空気を入れる際にキックスタンドで車体を支えて、後輪を浮かせてバルブ位置を変える、 といった些細なこともできません。 でかでかとしているくせに無能です。 Type-R の人当たりの良さはママチャリや軽快車と変わりませんから、 スポーツ車のようにキックスタンド無しで押し通すのも不釣合いですし、困ったことです。 どうせ駄目なら、私としてはこちらの細くて存在感控えめな方でよかったと思っています。 |
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![]() 最終的に、座面高をノーマル時よりも下げたのに合わせてキックスタンドは短くなり、 前方への振り出しも小さくなりました。 基本的に強度は期待できませんが、自立するには問題のない程度になりました。 ![]() |
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並べて停めるのは拙い | |
脚の出し入れの際には、脚が弧を描く途中で地面にぶつからないように、
車体を向こう側へ倒すか後部を持ち上げるかしないといけないのですが、 けっこう周囲にスペースが必要です。 また、キックスタンドとは言うものの、この構造では手で丁寧に操作した方が無難です。 傍目には御大層というより間抜けな、頭悪そうな作りの自転車に映っているのではないでしょうか。 |
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無難が取り柄のはずが | |
このキックスタンドは取り付け部が水平を前提として設計されているようで、
Type-R のような斜めのスイングアームに取り付けてしまうと、力を受ける方向がおかしくなります。 どうやったところでキックスタンドとの相性は良くないデザインの自転車だとは思いますが、 取付け部にアタッチメントを使うとか、もう少しくらいなんとかなったでしょうに。 ![]() |
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世界一乗りやすくてもすこぶる停めにくい、使い勝手に難のある自転車です。
大事に扱おうとする心は養えるでしょうが。 |
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尻尾の先とかいろいろ | ||||
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![]() 反射板は左に傾いています。 何か忘れ物っぽい扱われ方をしていますが、 ご愛嬌で特に気にはなりません。 斜めなのはねじの切り方ではなく、 二本の尻尾を繋いでいるねじを切った部材自体が、 正しく水平に溶接されていないためです。 ![]() 実はこの繋ぎの部材も フレームと同じ台形断面のパイプのようで、 何やら芸の細かい日本の職人技を思わせなくもないんですが、 色は付いていないわ、斜めになってるわ、 溶接のビードがもりもり汚いわで、 どちらかと言うとみみっちい端材利用な風情。 台湾クオリティーにとってどうでもいい箇所に、 日本的な価値観を持ち込んでも無駄だという 文化の壁がここにはあります。 |
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![]() また、反射板を横から見ると、尻尾と直角(取付金具がただのLアングル)ですから、 斜め上向きです。 車への対し方としては、少々拙いんじゃないでしょうか。 気になる方は取付金具を万力で挟んでどついてください。 |
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尻尾のエンドキャップは、
差し込まれているだけでちょっと心許なかったので、 下面をビニールテープで留めています。 また、フレームカラーは原色のような真っ赤です。 反射板と同じ色に写っています。 |
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自転車らしからぬグラフィック。
Type-F の折り畳みブロックとノリは同じですが、 こちらはカッティングシートではなくプリントです。 全く違和感が無いのが悲しい、玩具趣味。 ![]() こういうことには手抜かりなし・・・。 |
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ごつさを象徴する、二本のトップチューブ。
ノーマルに比べれば 頼りないほどすっきりした光景なはずですが、 視界に入る トップチューブを含めた3本のフレームは どう見ても “構造物” です。 |
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自転車らしい軽快さとは程遠く、 人の汗など受け付けない頑強さを持つ、労働手段のような佇まいが見る者を圧倒します。 なぁ〜んとなく搾取されるような雰囲気が漂って、エンターテイメント性は希薄な眺め。 画像のチェーンリングは 43T ですが、これに 56T なんて人を人と思わぬ所業ですね。 “構造物” を “建造物” にすり替えてでっち上げた “日本の伝統建築” というキャッチコピーは それを誤魔化すためのものと言えるでしょう。 車体が木のように軽いのであれば話も変わってきますが、錨を上げて出航する気分です。 ![]() 人間を動力とするスワンボートみたいだというわけではありませんョ。 まぁ、少しはそんなところもありますけど、発進前の気分のお話です。 この手の自転車の発進には準備と心構えが必要ですからね。 |
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とうとうやってしもた | ||||
車止めに ClickBox をぶつけてしまいました。
樹脂製で安物っぽいんですが、最も壊す可能性が高いという点で DualDrive のネックといえます。 見た目以上に現実的な強度が備わっており、ちょっとぶつけた程度では何ともないようですが、 どう見てもそのうちぶつけてどうにかなりそうな部品なのに、 補修パーツとして供給されていない SRAM の日本における現状は、困ったものです。 SRAM代理店である GIANT が一目置いているようなショップを通せば入手可能かもしれませんが、 基本的にハズレを引いたり壊したりしたら、DualDrive に後はありません。 海外通販で何とかなるでしょうが、そんなに大層な趣味性の高い自転車でもないし、 壊れたりしたらもう割に合いませんね。 追記) 現在は CYCLETEC-IKD http://www.ikd21.co.jp/ikd/index.html にて取り扱いがあるようです。 |
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試 作 車 〜ここまでとここから先 | ||||
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オレンジサイクルフェスタ 2003 の会場で 試乗に供されていた試作車だそうです。 (Rは同年にデビュー) ![]() 「たまには自転車通勤もいいよねっ♪」 http://yana.pekori.jp/cycle/repo/3051ore/race2.html(リンク切れ)より |
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これでほぼ完成状態ですが、
残された部分の出来栄えは嘘のように良くない。 ![]() ここから先は 内容の詰めをやめて形を纏めるだけになったようです。 もったいない。 |
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試作車の画像から分かること(その一) 〜まだ付いていない物とか | |
キックスタンド | |
![]() サス後方でスイングアームを連結している梁は Type-F 同様、縦になっていますから、 ここにキックスタンドを取り付けることなど考えられていません。 変更になったのは、Type-F や bikeE のように後輪部で支える一般的なキックスタンドでは、 電動ユニット(or キャノピーシステム)を支えきれなかったということでしょうか。 |
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アイドラ | |
![]() チラっと写ったアイドラは、色からすると既製品ではなく試作品のようですね。 つまり専用設計したパーツとなりますが、その製品版はまさに Type-R のネックとなっています。 大事な機能部品なのに “何とか使える” 程度の製品化、、企業体質。 “ジャージャー音” と称された Type-F のプーリーの設計変更・静音化が先行していたので、 こちらはそれを拙速にダブル化しただけなのかもしれません。 |
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![]() 同じ “日本発” で、同じメーカーに製作依頼しているクワハラの、 ある種の執着性を感じさせる工業製品としての完成度に対する追及力のようなものが、 Tartaruga ではインスピレーションの実体化・試作までの努力で打ち切られているように感じられます。 発案が実現すればそれ以上専門分野へ立ち入らない、というのは “企業体質” といえるでしょう。 |
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サスペンション | |
![]() 不特定多数の乗車があったでしょうに、ストローク痕はエラストマー相応に僅かです。 無償交換品のコイルサスも似たようなものですから、 この程度のトラベルに抑えておきたいということなのでしょう。 サスペンションといっても本格的に後輪を上下動させるのではなく、 衝撃を和らげるラバークッション程度の機能を想定しているようですね。 わざわざサスフレームでやるにしては、単にショボいとしか見えない処に落とし穴があります。 |
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前後ディスクブレーキマウント | |
![]() フロントフォークは、フォークエンドのプレートが試行錯誤中な状態のようですから、 ディスクブレーキマウントが無くても当然でしょう。 しかし、リヤも無いというのはどうなんでしょうか。 bikeE に無いものは想定外? or 簡単に追加できるから後回し? |
シートスライダー | ||
![]() シートスライダーの固定が上のクイックに加えて 下側も絞るように改修されています。 残念なことに量産車でも固定力がいまひとつなのは 確かですが、試作車の段階でこのように改修を施して 検証しているのは、キャノピーシステムを支える必要が あるためでしょう。 右画像は bikeE ですが、改修前の基礎設計では 完全に bikeE をコピーしていることが分かります。 ![]() こちらは本気で bikeE に無いものを付けるつもりで やっているようですね。 |
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フレームカラー | |
![]() 塗装色は Type-F のイメージカラーのボンバーオレンジと同じに見えます。 であれば、漆等の「朱色」とはやはりニュアンスが異なりますから、 試作段階では日本の伝統になぞらえる企図はなかったのかもしれません。 |
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試作車の画像から分かること(その二) 〜フロントフォーク |
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試作車のフロントです。
フォークエンドプレートの切欠きから、 トレイルの検証?が行われていたことが窺えます。 画像の位置が量産モデルと同じ位置 (Type-F と同じフォークオフセット?)でしょうから、 量産モデルよりもフォークブレードが立っているようです。 (ヘッド角と同じ?) |
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Tartaruga の歴史から分かること |
![]() 2001 Type-F リリース 2002 (bikeE社倒産) 2003 Type-R (和製 bikeE)リリース 2003 Type-F 自転車としての体裁が整う 2004 Type-RE リリース 2005 Type-S リリース 2005 Type-F 新型シートフレームの ver. 1.5 に |
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自転車を専門としないクリエイティブ集団の早業です。
いろいろ煮詰めている時間なんてありませんから、 どこまで煮詰める必要があるかも、知る必要なし。 天性の閃きが形になったらクリエイティブ完了。 自転車熱を引っ張り出せたら目的達成。 どれだけ維持するかはユーザーの問題。 維持できるものをお願いいたします。 |
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トレイルのお話 | ||||
![]() トレイルは、フォーク回転軸(ハンドルポストの中心線)を伸ばして路面と交わる点と、 ハブ軸から垂直に下した線の接地点との水平距離です。 私は、フォーク回転軸が引き摺っている、安定のための凧の尻尾みたいなものだと思っています。 |
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「トレイルは引きずるという意味。 操縦軸と路面の交点の後方に前輪タイヤの接地点があるから。 なお、トレイルのことをトレールというのは誤り」 |
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トレイルの特性は、
![]() ●長いと、直進走行の安定性が良い。 ●短いと、操縦性が良い。 |
トレイルは、
![]() ●タイヤ外径が大きいと、 ●ヘッド角が小さいと、 ●フォークオフセットが 小さい と、 長くなる。 |
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「走行中に自転車を傾けると、トレイルの存在によりハンドルは傾けた方角に切られる。 この働きによって容易に曲がることができる。 この傾向はトレイルが長いほど大きい」 「フォークオフセットが大きいとハンドルの動きが速い」 ![]() |
![]() 最後のやつは、フォークオフセットが大きいとトレイルが短くなって、 ハンドル操作に対する前輪の接地点の移動量が小さくなり、 向きが変わるのが速くなると同時に、ハンドル操作の抵抗も減少する、ということだと思います。 |
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トレイル
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左画像より、タイヤ外径が小さいほど
トレイルが小さくなることが分かります。 ![]() また、フォークオフセットを大きくすれば ホイールが左へ移動し、 トレイルが減少することがわかります。 ![]() ヘッド角が大きくなっても、減少します。 注)この画像はリアサスの取付長が 10mm長い状態のものです。 あまり厳密なことはいえませんが、 そのせいでヘッド角が大きくなっていますので、 本来のトレイルはもう少し長いはずです。 さらに、タイヤを細いものに替えたり、 タイヤがパンクした際にも トレイルは減少しますから、 Rのトレイルは 左画像を見る限り、必要最小限度です。 |
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![]() 私の Type-R。 タイヤは16×2.0。 黄色縦線はタイヤ外径中心点から引いています。 白色線は、18×1.5 のタイヤ外径です。 ![]() |
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トレイルが小さいとどうなるの? | ||
トレイルがあれば、ハンドルの動きに前輪は接地点を移動させて追従せねばなりません。
フォーク回転軸を中心とした、トレイルを半径とする円弧上を接地点が移動することになります。 これがハンドルの切れ込みとなって現れると、慌ててカウンターを当てることになります。 小径の前輪は慣性力も小さく簡単に向きが変わりますが、その動きが速ければ、 接地点の円弧上の移動を前進する間に吸収しきれなくなり、ブレとなって現れます。 接地点からフレーム(ヘッドチューブ)までの距離が短く、ホイール剛性の高い小径では、 ブレはフレームにストレートに伝わり、直近にあるペダルもぶれて、駆動力も不安定になるでしょう。 重量物の電動アシストユニットはブレの発生源の直近に配置されていますし、 キャノピーシステムという嵩高い被り物が付いた場合にも、車体を揺らす要因は無い方が望ましいのです。 極論を言えば、トレイルがゼロでは、 ハンドルを動かしても前輪がその場で首を振るだけで、車体を揺らす力は生じません。 また、トレイル・ゼロが前輪を前に出せる限界点ですから、ペダルとの干渉を最小限にできます。 |
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![]() ゼロ点を越えると、車輪がフレームを引っ張らねばなりません。 しかし、駆動力の無い前輪は、フレームにとって押しのけるべき抵抗でしかありませんから、 前進しようとした途端に前輪は180°回転して後ろ向きになり、フレームに引きずられます。 手押し台車の自在キャスターの動きと同じです。 ![]() |
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(上のトレイルのお話は素人談義ですので、間違っているかもしれません。 興味を持たれた場合はぜひお調べ下さい) | ||
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理屈ではない トレイルと安定感 |
小さくなったままのトレイルで問題は無いのかといえば、上述の通り結果オーライです。
何だかいい加減なお話に思われるかもしれませんが、 トレイルが小さく多少ハンドルが振れたところで、ロングホイールベースが効いて進路は乱れません。 とてもお気楽に安定しています。 反面、小さいトレイルがハンドルを気持ちだけで切り込んでくれる訳もなく、 ロングホイールベースのせいで回頭性は穏やかで、 どっかり尻を据えてしまったライダーは主演者ではなく観客となります。 どうにも変えようのない素性ですね。 意のままにひらりと動きはしませんが、意に反する外乱には鷹揚です。 伝わらないし伝えてこないので、気持ちを高揚させる戦闘的エッセンスの持ち合わせはありません。 せめて直進状態に爽快感でもと願いたいところですが、こちらも駆動系に問題を抱えており意に沿えず。 まぁ、リカンベントの駆動系なんてただ動力を伝えるだけで、 踏むのが楽しくなるようなものではないようですが。 ![]() 神経を尖らせるものが全く無く、軽くはない車体は、そういったものを全部「安定感」に変換します。 幸いなことに、リカンベントな座り姿勢にとっては、そう感じられるということです。 |
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左画像は私の Type-R です。
上掲のトレイル説明画像よりも後期のもので、 座面高を下げてヘッド角が小さくなっているので、 トレイルは少し長くなっているはずです。 しかし、安定感が増したかと言えば、否です。 ![]() 理論の範疇でなら、 相応に直進安定性は増しているのでしょうけれど、 現実的にはトレイルだけでは安定感は出ません。 安定性はトレイルで決まりますが、 安定感はそれを含めた別の話、ということです。 ![]() |
Top page で「信号待ちを堪え切り易い」と記しましたが、
トレイルが僅かなせいでハンドルを振っても車体がぶれないためかもしれません。 Type-R の安定感は、直進安定性に依存したものではないようです。 |
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三年経ったType-R 〜まだ大丈夫 | ||||
気負わず | |
相変わらずです。 特にがっかりすることもなく。
年々距離が伸びなくなってきましたが、それは年齢と体力の衰えに世相の追い討ちが重なって、 気力が無くなりつつあるせいだと思います。 ![]() 幸いなことに、そういう状態でも乗れば楽しいものがあります。 健康な日常生活のための基礎体力を維持するためにも週一くらいは走らねばならぬ、 というあまり気乗りのしない面倒に思える時でも、 走り出せばこいつはいいなと思わせるものがあります。 いや、そういう時の方がいいなと思うことが多いです。 反面、スポーツ車のように活力を喜びに変えるようなことは、やっぱり苦手です。 無欲にゆっくり走るつもりのうちはけっこういい自転車なんですが、 ここはやるぞという時に感情移入できる世界が開けないというか、 16in. でやる気も何もなかろう、みたいな感じです。 それでも前ハブのグリスをレスポにしてみたり、エアサスの取付けを弄ったりの結果、 以前の低速限定車的な感覚は無くなりました。 元々遅いものが速くなったわけではありませんが、憑き物が落ちたように気分はすっきりです。 BIG APPLE 仕様としてはこれで一応の完成、いい仕上がりになったと思います。 |
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それでもいまひとつ面白くないのは何故だ 〜まだあるの? | |
2ちゃんねるからの啓示 (その一) | |
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そう言われれば確かにその通りだと思います。
特に Type-R のシートは担架状のシンプルなものですから、体の収まりどころがあるような無いような、 そのおかげで適当に体が逃げて圧迫感が集中せず、疲れにくいのですが、 ペダリングに対しては押さえが甘くなり、効率はあまりよろしくない訳です。 ![]() 加えて、やはりペダルを漕ぐための体勢としては、幾分まとまりを欠いているように感じます。 走ろうとするほど、ペダルの回転運動の維持に意識が浪費されて、 終いには飛ばすのが面倒になってしまいます。 ![]() でも、リカンベント一般がそんな有様なわけがありませんから、 Type-R を一般論で語れる範囲は限られるでしょう。 注意せねばなりません。 自称 “本格的リカンベント” は身の程をわきまえねばならぬ、ということですね。 |
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漕がねばならぬ、それは 義務 | |
ちょっとスピードを上げようかという際に決断を要したのは過去の話となり、
流して走りやすくなりましたが、移動感に気持ちよさは無いような気がします。 以前は漕いだら義務的に前に出るという反応だったのが、今は事務的な流れになったといった具合で、 そこにはあまり感じる物がないんですね。 ![]() でも意識が走行感に魅了させられないと周りがよく見えて、空もよく見えて、それは楽しいわけです。 感覚は同時進行ですから、ひっくるめて「走るのは楽しい」という願望含みの虚像が出来上がります。 が、時が経てば「楽しいはずだ」と自分に言い聞かせている力が弱って、「何だかなぁ」となります。 |
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いまひとつ面白くないのは乗りやすさで誤魔化した走る効率の悪さのせいでしょう。 | |
乗りやすければあとは走るしかないでしょうに、これでは面白い訳がありません。
ペダリングに関しては、ママチャリの方がダイレクトで抜けがよく、リズミカルで楽しいです。 残念ですが、Type-R には Type-F のようなペダルを漕ぐことの楽しさが備わっていないのです。 これは、スポーツ車のようにスピードを追及するとかしないとかいう話以前の問題です。 |
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結論 〜楽だが走ることは快適でもなければ楽しいわけでもない〜 極論ですけど | |
それでも戸外を走る爽快さ(これは自転車の出来とは別)が転化して、 乗り疲れの少ないRをいい自転車だと思うことはあります。 疲れるほど乗りたいとは思いませんが。 自転車の楽しさである「自力で速く、遠くまで」のレベルが、どんどん低下してしまいました。 この自転車、レベルを上げても大して楽しくなりませんが、下がっても楽しみが減ることはありません。 ただ、下がると相対的に大袈裟感が増してくるので、嵩張る車体を引っ張り出すのが面倒臭くなります。 |
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《リアサスの頁に続く》 | |
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なんとなく | |||||||
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四年半経ったType-R 〜流石にメンテは必要 | ||||
これまでほったらかしにしてきた DualDrive にとうとう異変が・・。 走行距離は 11500km。
まず、ホイールを空転させた際の停止直前の振れ戻りが大きくなってきました。 いかにも抵抗が少なそうに見えても、ベアリングが緩いとかグリスが減っているとかの 裏事情があるはずですから、ろくなことではありません。 が、とりあえず無視。 さらに何ヶ月か経って、リムの位置で1mmほど横にがたつくのに気付きました。 原因はハブの玉押しの緩み(玉押し自体はがっちり締まっていました)だったので、 これを調整しておしまいです。 あまり触りたくありません。 しかし、メンテの際に内装ギア低速段でクランクを逆転させると引っ掛かる (フリーが回ろうとしない) ことがありますし、 リヤホイールの回転にペダルが釣られる傾向も強くなってしまいました。 それでも走行するには問題ありません。 が、 ![]() しかたがありませんから、ばらして適当に!グリスアップです。 内部のグリスはかなり乾いた状態でしたのでオーバーホールの頃合ではあります。 シマノの内装ハブに比べると充填されたグリスの量がまるで違いますね。 ![]() 面倒くさいです。 腹を括って手を動かせば何とかなりますが、 やっているうちにパーツの組み合わせの記憶に自信が持てなくなってきたりで、大変面倒くさいです。 情熱の支えがないとこの歳では記憶力が働きませんね。 最初で最後のグリスアップかもしれませんから、もうどうでもいいです。 手持ちのグリスを塗りたくって良しとします。 流石に走行感は改善されて、走るのが楽しくなります。 客観的には本来の状態に戻っただけでしょうけれど。 DualDriveメンテフリー神話は崩壊しました。 情報が乏しいのに困って、勝手にそう祀り上げて事無きを得ようとしていただけなんですが、 かといって、定期的にばらして手を入れるようなものかと言えば、さてどうなんでしょう。 私には、そんな高級スポーツ車のデリケートさではなく 一般車のタフさが備わっているように見えましたが、、、 それも願望の投影なんでしょうね。 |
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分解を決意するにあたって参考にさせていただきました。 http://blogs.yahoo.co.jp/naka_on_sbol/9813173.html http://blogs.yahoo.co.jp/naka_on_sbol/46519902.html |
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五年経ったType-R | ||||
買ってよかったか | |
Type-F のあとなら、何を買っても良くも悪くも後悔は無いような気がするのですが。
あれの個性に毒されるとあとが大変です。 いや、間違えました、あとが楽です。 で、五年後の判断としては「私には十分なものであったので、買い損ねたとは言えない」、 ということになります。 奥歯に物の挟まったような言い方で嫌ですねぇ。 「お前はこの程度で十分じゃ。 これでもいっぱしの値段なんだから文句ないだろ」 と言われてるようなものです。 この自転車(のコピーみたいなモノですが)、自転車としての押さえ処を外した 三流 ですから、 私のようなレベルでも評価ができます。 つまり、誰でも評価ができます。 自転車三昧な者だけが語れる、といった敷居の向こう側の世界ではなく、 近所の公園に咲いた桜の花を見に行こうか、という日常がその活用域ですから。 それがこの自転車の良さであり、それ以上に世界が開けないのがこの自転車の欠点だと思います。 その程度だったら前かごの付いた折り畳み自転車の方が、面倒が無くていいようなものなのですが、 そういった “近所” の範囲が如何様にも化けるところは、Type-R の長所です。 ただ、本当に近所なら構わないんですが、 50kmも先の近所まで遠征となると、何だか場違いな、勘違いな感覚も現れ始めたりします。 ちょっとしたお試し気分で、走行エリアの拡大を探っているうちはまだ良いのですが、 それがひと段落してしまうと ![]() 大屋根や電動アシストを取り付けるための架台として換骨奪胎され、 本来備わるべき性能をなおざりにされたリカンベントでは、気恥ずかしさがまといつく ![]() ようになります。 ![]() (( 何せ意図した楽しませ方が浮世離れしていますから。 もちろん発想が卓越しているという意味ではなく、 発想を支える現実的な部分、すなわち素の自転車な部分をすっ飛ばして、宙に夢を描いている という意味です )) ![]() つまりこの先、どの程度それを無視し得るか、それに耐え得るかという、精神力が問われているに 違いないのですが、ワタクシ、この歳になってそのような面倒くさい精神修養はイヤでございます。 |
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五年を振り返って | |
(一年目) | |
Type-F の跡を辿りながら、その違いに満足する年。
F以上の部分を満喫しようという精神的後押しがあったのか、よく走っています。 |
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(ニ年目) | |
一年目の好印象の延長線上にある年です。
Fに対する当て付けのような勝利感は影を潜め、 Rにも誤魔化しようの無い機能的限界を感じ始めていますが、 まだそれを疑問視するには至っておりません。 |
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(三年目) | |
Fと比べりゃマシとかいう逃げ道はとうに無くなり、R本来の出来が問われだした正念場。
つまり、Rの鮮度は二年が限界です。 |
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(四年目) | |
ここに至れば、そもそもRとはこういうものだという自前の解釈が、いやでも成立します。
正しい理解でココロに平安を、という自己弁護というか精神的防御反応というか、 内省的傾向が強まります。 |
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(五年目) | |
これ以上Rをとやかく言う必要が無くなった、良き区切りの年。 やり尽くしました。 《→最終決着》 | |
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ついでに六年目以降 | |
(ついでの六年目) | |
どうこういうほど乗っていません。 季節に誘い出されて引っ張り出したのが二十数回、
その総距離が八百km程度というのが、走る気力を喪失している証し。 その要因のすべてをRに帰するわけにはゆかぬものの、 やはり刺激性か、それが無ければ整合性と作りの良さを持ち合わせていないと、 カスタマイズ完了と同時に走らせてみなければならぬということも無くなり、走る気は失せます。 十分に手をかけただけの良さはあるんですけどねぇ。 手前味噌ですが。 |
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(いつのまにか七年目も過ぎた) | |
心境の変化は無かったものの、年間走行距離は千二百kmと前年比50%アップに(笑)。
背もたれのメッシュシートは茶色く褪色し、フレームの色抜けも止まらず、年季を感じさせます。 自転車に対する興味や情熱はとうに冷めていますが、 自分に合うように手を入れたRの仕上がりはまずまずで、不調箇所もありませんから、 毎回お決まりのショートコースを、言い訳のように走っています。 いやではないけど面倒くさい、というのは精神的余裕の無さが原因かもしれません。 道楽めいたことをやっている場合じゃない、、、とか。 |
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(そして八年目も過ぎた) | |
年間走行距離は五百km少々と、最低記録更新(笑)。
Rの調子は依然良好なままです。 惜しいことをしたなぁ。 |
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(九年目も変わらず) | |
前年の反省から、年間走行距離はおよそ千kmと倍増に。
気力・体力の衰えを考えれば、こんなものでしょう。 自転車で遠くまで行ってみたいという考えは、もはや “無謀” となりました。 |
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(ついに十年目も終わった) | |
自転車で走ろうという考えが “無謀” となりつつあります。 これはいけませんね。
まずはモチベーションの復活が願われます。 |
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(気が付けば十一年目も終わっていた) | |
一年もあったのに、乗るタイミングを見い出せず。 | |
(十二年目も変わらず) | |
同上。 店長の一押しは電動アシストの MTB で、かなり面白い、出戻りライダーに人気とのこと。
どう考えても畑違いだし、RE の考察から電動の面倒までは見きれなさそうなのは明白。 |
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(十三年目も変わらず) | |
前輪の回転が渋くなってしまったので、走らなくてもFハブのグリスアップ。
デュラグリスを詰めて玉押し調整もサクッと完了。 それ以外に何も無し。 |
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最後の十四年目 | |
(ついに退役です) | |
全く乗らなくなってしまっているので決断いたしました。
手放すにあたって、Type-F のような「惜しいんだけどなぁ」といったものはありません。 Fは詰めの甘さといい加減な変遷が惜しかったのですが、 つまり、そういったものに足を引っ張られた惜しむべき素性の良さがあったのですが、 Rの場合は、一皮剥けば駄作な模造品というのが素性らしく、誤魔化しようがありませんでした。 私のつぎ込んだ手間は、それに対してきっちり結果を出して昇華しており、悔恨の念は微塵も無し。 十分に楽しめました。 合掌〜。 |
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整 備・改 造 記 録 | ||||
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今後のあてにならない予定 | |
その一) 背もたれのメッシュシート
色褪せてきたので新調したいところではあるが、綻びもなく十分に馴染んだものを新調したからと言って、 新品の良さみたいなものがはっきりと感じられるのかどうか疑わしい。 今さら単品購入に一万円近く掛ける情熱は無いし、何よりタル・エンタメとのやりとりは、過去の経験からも 意気消沈するものがあるので、楽しい買い物にならないのは必定。 でもやっぱりリフレッシュできればと思う。 その二) ブレーキレバー 上下にガタが出ているので機会があれば新調する。 交換用の新品はとうに入手しているが、現状に不都合は感じられず、わざわざ交換の手間をかける気力がない。 その三) ケーブル一式 上のブレーキレバーと絡めて、ケーブルも全て新調すべきだとは思う。 一般的に言われる頃合はとうに過ぎているのだろうが、現状はいたって良好なまま。 もっともやってみなければ確かなことは言えない。 |
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やっぱり何もしないうちに退役となりましたが、もしも乗り続けるのであれば | |
その四) タイヤチューブとリムフラップ
チューブの前回交換は2016だが、購入はそれ以前のもののはずなので、安全のためには交換必須。 タイヤ銘柄変更を含めた全取り替えなら、リフレッシュ効果でモチベーション回復も期待できそう。 その五) ヘッドパーツのグリスアップ いくら何でも賞味期限切れは明らかなので何とかせねばならぬ。 |
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思い返せば、ショップのお世話になったのは、初期にリヤスプロケットのロックリングが緩んだ時だけでした。
手持ちの工具はガイドピン付きのものだったので内装変速ハブには使えず、ホイールだけ持ち込みました。 それ以外にはリムの振れも出ず、そちらの方面では全く手のかからない自転車でした。 上のはホンのご愛敬。 在庫整理扱いの通販ながら納車前整備が良く成されていたんでしょう。 ありがたいことです。 |
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タルタルーガ FとR 目次 ・Top page |
Type-F ハンドル周り ・シート ・パワーサポート ・ケーブル取り回し ・駆動系 ・その他 ・購入手引き |
Type-R ハンドル周り ・シート ・ケーブル取り回し ・塗装品質 ・リアサス ・アイドラ ・どれほどbikeEか ・その他 |
雑記1 ・雑記2 Type-F 新型シートフレーム ・雑記3 Type-RE ・雑記4 チェーンオイル |
雑記5 XDS W5 ・雑記6 無印良品16型折りたたみ自転車 |