ハンドル周り 〜 Fの再現
 シフターをはじめほとんどFを手放す際に回収していたパーツを転用しており、
 完全にFをトレースしています。
   面白さのエッセンス
(SRAM取説より・9速用)
 シフターは DualDrive 専用が標準です。
全体的に大ぶりな外人サイズで、しかもグリップが樽型に膨らんでいるため、
グリップシフトの難点であるブレーキレバーの指掛かりの悪さが助長されています。
また、親指操作もやや遠く、直感的でなく探りを入れながらの操作になります。
親指の動きとスライド方向が一致しないので、ちょっと面倒な操作感です。
 
 樽型グリップはトレーニング器具の握りのようであり、
ハンドルバーが遠いのと相まって、掴まるというイメージ。
椅子に座って腕を真っ直ぐ前に出して何かに掴まって移動する、
ちょっと遊園地のような不可思議な気分は、確かに面白いです。
この妙な掴まり感覚が、癖のない理詰めのRに楽しさを添えています。
まぁ、変な握り心地で走るのがオモロイというだけの話ですが。 
(注)上述の「理詰めのR」というのはあくまで初見の印象、特に Type-F の直後に感じる初期印象です。
 ハンドルは低くした方が舵が安定しますが、内装変速部の張り出しが邪魔で高めとなります。
変な握り心地で一所懸命据わりの良くない舵を取るのも面白いのですが、
ここは思い切ってまともな状態に変更しています。
つまり、まるごとシフターの入れ替えです。
グリップシフトなのに根元が細くくびれているところとか、ちょっと捨てがたいものもありますが、
操作性は Type-F で使用したローノーマル+ラピッドファイアの方が断然優れます。
   戯れは無し 〜操作性優先で落ち着きを
 DualDrive のセットからこの状態に変更したときは、
酔いから覚めて正気に戻ったようにいろいろな操作がクリアで簡単になりました。
違和感を克服する楽しさ、操作する面白さのようなものはこれでRから完全になくなりましたから、
つまらないといえばそうかもしれません。
アンバランスな部分が普通の状態にリセットされたということです。 
 ハンドルバー はとっつきやすい全幅だったのですが、
車体の大ぶり感を助長しているようでしたので、私は 480mm にカットしました。
が、気持ちやり過ぎたかな、といったところです。
 ブレーキレバーはもう少し下向きにした方が握り易そうなのですが、
ブレーキレバーが被さる XTシフターは、アウターケーブルが
ハンドルポジションチェンジャーに接触しているという団子状態で、これが限界です。
Fと同様に、レバーの開きを小さくして指を掛け易くして埋め合わせをしています。

 「への字」型のハンドルバーなら、アウターケーブルを逃がせるのではないかと思い、
まずは、より角度のついたバックスイープ10°のものを試してみましたが、
腕の重みの受け方が良くありません。
また、グリップシフターのツバの部分と手の当たり具合もいまひとつとなり、
全体としてリラックスしているようでいてグリップを握ることに不自然さがつきまといます。
幅詰めしたノーマルの方が快適で、
長時間でもグリップを握るのが億劫になることもなく疲れません。
これが一番良い様です。
 DualDrive 専用シフター
内装変速を SRAM グリップシフトに、外装変速をディレーラーと併せてシマノXTに分割換装しました。
内外装の連携変速ができるようになったのは便利ですが、
グリップシフトは 2ノッチづつの回転操作が必要で、雑な操作では合わせ損なうことがあります。
変則組のハンドルポジションチェンジャーと相まって甚だしく左右非対称となりましたが、
操作に違和感はありません。
 
また、私は左手指に怪我の後遺症があるので、左グリップシフトというのは好都合なのです。
同じ理由でブレーキレバーの角度も左右不揃いです。

 SRAMグリップシフト 3X9・左(フロント用)のノッチは、
右(リア用)と同じ 8ノッチ刻まれており、ワイヤー送り量は 2ノッチで 5.9mm※です。
DualDrive 内装3段のシフターの送り量は1段 6.1mm※ですから、僅かに足りませんが動作に問題ありません。
ラピッドファイアは送り出し順に 8.5mm※+11.5mm※で全く異なります。
(※数値は私の実測値で、メーカー公表値ではありません)
   ハンドルポジションチェンジャーふたつ 〜最強の証し
 遠目のハンドルを、ハンドルポジションチェンジャーで引き寄せます。 乗り味がけっこう変わります。
普通に1セットで手前に引くとケーブルの通り道が塞がれてしまうため、
Fと同じ変則組の二段架けとなりました。
画像は限度いっぱい手前に引いたセッティングです。
もっと引けそうに見えますが、これ以上引くとブレーキレバーが上向きになって操作性が悪化します。
ブレーキレバーの不自然さはよろしくありませんので避けねばなりません。
 ノーマルでもハンドルの遠さを感じるものの、乗り味の範疇として乗ることはできます。
私はあちこちを弄ってしまった結果、かなり手前にした方が具合が良くなりました。
指先まで含めて手元の余裕と自然さは、上体をリラックスさせる上で非常に重要です。
手元に余裕があれば上体の動きをステアに影響しないよう逃がせるので、
斜め後方確認も車体が振られることなく普通にできます。
これは安全性以上に、解放感に決定的に効いてきます。
 
 この、走行時でも自由度が大きい視界のおかげで、
気持ちの良い季節の旬を見たいように見ながら走るには、うってつけの自転車となります。
これは、このタイプの自転車でこそ実現可能なものであり、
Rにとっては最大にして唯一の美点ではないでしょうか。
 
 残念なことですが、
リカンベントらしさとしてバックミラーの必要性を半ば当たり前のように是認してしまうと、
ハンドルの前後位置はポジション調整の想定外となり、この唯一の美点が日の目を見ることは期待できません。

一芸に秀でたものが何も無いようでは、乗る楽しみを支え続けることはできませんから、
残念ながら Type-R は一過性の、入門的な位置づけにならざるを得ません。

 
 このようなハンドル位置の変更により、乗り味はよりゆったりしますので、
走っているぞという感覚も、せっせと走ろうとする気概も薄らぎます。
鈍足化が促進されるのはまずいのですが、安全性はさらに高まるわけです。 お気楽さへの貢献度・大。
 
 私の場合は、ハンドルポジションチェンジャーを手違いでF用に2個も買っていましたので、
今回もそのまま転用できて無駄にならずよかったで済みますが、何といっても安いものではありませんし、
見た目も自転車の洗練度を引き下げますから、費用対効果は価値観次第ですね。
ケーブル長さが足りなくなって、それも総取り替えという事態に発展すればけっこう大変です。
実用性 (一般性) が取り柄であるはずの車種の、失われた実用性 (一般性) を取り戻す努力みたいなものですから、
華のあるモディファイではありませんし、大事を取ってお薦めはいたしかねます。
シ フ タ ー の 世 代 交 代 〜いまのままが良いけれど
  上左) SRAM Attack (Half-Pipe)
 握る部分が長くて使い勝手が良かったのですが、
4年経ってゴム表面にねばつきが出始め、亀裂も大きくなったためやむなく退役。
ハンドルバーのグリップは Type-F から継承した Answer Aggressor という適度にソフトなもので、
手の感触の左右差 (怪我の後遺症) が消えて具合が良かったのですが、
こちらも少々ねばつき感が出はじめていたので同時に退役。
  上右) SRAM X9
 Half-Pipe は見かけなくなったのでしかたなく2代目はショートな X9。
GIANT傘下の SRAM 製品が対面販売のみに規制される以前に通販買いしていた予備品。
やっぱり Half-Pipe の方がずぼらに握れるし、
根元まで普通にグリップらしく握れるので好ましいような気がしますが、
意外と交換直後でも X9 に違和感はありません。
操作感は、こちらの方が節度があるように感じます。
 
 ハンドルバーのグリップはシマノの PRO XC スリムグリップ。
ざらっとして滑りにくく、細身でクッション性は乏しく硬い(名の通り肉厚が薄い)、
ただの丸パイプといった感触です。
当然、掌に馴染むわけがなく、あまり握りたくはありませんね。 特に汗ばむ季節には。
安価であるのと、グリップシフター用にカットし易いデザインということで選びました。
残念なのはクローズドエンドではなく樹脂製エンドキャップが付くこと。
自転車を壁に立て掛けた際にクッションにならず、滑りやすいですから。
・ ・ ・ ・ 結局、以前より良くはなっていないということになりますね。
  ・ ・ というわけで7ヶ月を経てグリップの交換です。 走るのが面倒臭くなったので弄ってみました。
 同じ物がいくつかのブランドから発売されていますが、これは サギサカ からのもの。
Amazon にて購入。
パッケージには型名も商品説明も無く、正体が隠されているところが流通事情を匂わせます。
実物はいたって普通な感じですが、別ブランド品の解説によると各色毎にコンパウンドが異なるらしく、
安価な割になかなかの商品力です。
 
 掌によく馴染む形状がすばらしい反面、
グリップはべとついた感じの手触りに依存するしかなかったのか、汗をかくと簡単に滑ります。
面で馴染むために汗の層ができて、するすると押さえの拠り所が無くなりますからまずいですね。
手の置き方を色々変えていれば汗も乾きはしますが、咄嗟のブレーキ操作に支障が出ますから、
突然現れる敵キャラへの警戒を怠るわけにはいかず、気が抜けません。 おしいなぁ。 夏場には不向きです。
 
 また、デザインされ過ぎているのが難点でしょうか。
複雑な形状で3色というのは、単品勝負に向いた分かり易い説得力がありますが、
実装するとハンドル周りに煩雑さが増してしまいます。
残念ながら、何やら意味ありげでこういうのがカッコいいと思える年頃ではございません。
脳細胞がヘタっておりますので、シンプルなものには良く反応しますが、
ごちゃごちゃしたやつはみんな敵です。
 
 グリップを替えて何かが明確に変化したわけではありません。
そんなプラシーボが期待できる情熱はもうとっくに失せています。
しかし、握り具合・手の置き具合についてあれこれ感じることは無くなりましたから、
そこは自然な状態に戻ったのでしょう。 とりあえずこれで良しとしましょう。