購入時の注意 〜 通ではない一般の方のために
 本家サイトのここを確認しましょう
 「中古・譲渡車両に関する扱いについて」https://www.tartaruga-ew.com/secondhand_support_j.html
をよくお読みになり、
消耗パーツの供給が、けっして気持ちよく受けられるものではなさそうなことをご理解下さい。
 (まぁ、そうそうご厄介にならなくてもやってはいけますけど)
 
 供給体制が十分なものではないが故に、相当に閉鎖的排他的な世界になっているようです。
定価か倍額か、大金出して購入した自転車かどうかが検証されるそうですが、
聖マエストロ教会で洗礼を受けた優先権付き新車オーナーであろうと、
消耗パーツが入手できなくなるリスクは同じでしょう。
 
 売りっ放しで済むような完成度ではないのに、これでは心配です。
もはや Type-F には、普通の人が買ってもいいような一般性・普遍性は求められません。
別リンクで永く快適に乗り続けるための保守・点検についても言及されてはいますが、
メンテしながら乗り続けるよりも、さっさと他所のやつに乗り換えたくなるようなお話です。
(業界はそれを期待していますョ)
同じ信者なのに正統派から閉め出され弾圧を蒙るというのは、よくある歴史のお話です。

 心構え
小径車、とりわけ小径折畳み自転車は毒のあるカテゴリーです。
Pacific社の毒はきついというか、薬よりも効きます。
 
 変な自転車専門ですから多少の譲歩も認めるべきかとは思いますが、
塗装等に問題を抱えるのであれば、やはり一般的な部分の品質にも多くは期待できないでしょう。
どうせ後悔するならば、Type-S のような一見まともそうな、しっかりしてそうなやつよりも、
Type-F のように誰が見てもおかしいやつを選んだ方が納得できます。
 
 もし日本発でなければ、そんなモンだと気が楽です。
 
 主たる趣味の自転車が別にあって、気分転換においしいところだけ味わうという運用がお勧めですが、
オンリーワンな方も心配はいりません。
大きな経験値が必ず得られますから。 必ずその先の自転車生活の糧となりますから。
 
 思い切って買った時点で失敗感が少し出てくるかとは思いますが、
この自転車は今や内容と《価格》が完全に乖離していますから、それで正常です。
これはもう対価を求める現世を離れ、出家した気分になれます。
血の気が引いているわけではありませんからね。 しっかりしてください。
できれば洗礼名や戒名みたいなのを頂いて、ハンドルポストに書いてもらえれば最高ですよ。
私が若かった頃も、近所のショップでママチャリや子供の自転車を買うと、
店長の奥さんが名前や住所を泥除けに上手に書いてくれました。
ささやかな盗難防止祈願であれば俗名でも大丈夫です。
聖マエストロ教会の名入れとあらばに代わる正真正銘の免罪符、
雲の上でカヌーを漕ぐ境地を求める心の迷いも無くなり、精進も進むことでしょう。
 用途設定なし
 誕生後、現在まで正確な競合車は現れておらず、そこに価値を求めればよいのですが、
唯一無二なせいか、もったいないことに何をしたいのか方向性を示すことは出来ずにいるようで、
独自性も Type-S 依存症が祟ってあやふやなものとなっています。

 ロードレーサーみたいに何から何までどうすべきか決まっているようなシロモノではありませんから、
どう使おうがユーザーの自由ですし、何に使えるかということが大事です。
そこで、独自性をありもしない使い方というか利便性で説明しようとして迷走しているんですが、
マルチパフォーマンス風に仕立てられているようなブランド主張からすれば、
買ってしまえば納得できる理由が見つかるかもしれません。

 本当はただ走るだけでよいので、何に使えるのかは問題になりません。
そういう素性の自転車だったのですが、途中からおかしな DNA の組み換えをして、
実用性を刷り込もうとしています。
その因子が覚醒することはなさそうですが。
 例外的に良好な運用性
 幸いなことに変な形をしていても、出先でのパンク修理に障害となるものは特にありません。
スポーツ車と同じですが、これは大きな安心要素です。 一人で遠くまで行っても平気ですよ。
当たり前なようですが、この手の自転車は面倒な構成が多く、結構難易度が高かったりするんです。
運用面で本当に困ることは意外と無いかもしれませんね。
そういう意味では、使い勝手の良い素性が備わっています。
離れたまえ、、ワープするぞ、、、
 遊具の楽しさ
 Type-F は遊具としての楽しさに溢れていますが、
変な自転車に乗る勇気と、そんな自身への賞賛を手にするためのものでもあります。
自分の強さを感じるために走るのであり、用途や目的地なんぞは何だって構わないのです。
リカンベントと違って日常なレベルからかなりお手軽に美味しいところを味わえますし、
完全にあっちの世界で孤独な戦いをせねばならないような閉塞感も無いのがいいところです。
リカンベントのような面倒くさい戦闘力を持たないのが、却って心地よいのです。
 
 空が見えるとか言ってますが、頭上を過ぎ行くものが見えるのがよろしいのです。
枝葉や何やらの高らかなアーチを勝者として通り抜けてゆく視界が、Type-F に広がる世界観です。
リカンベントと違って、束縛の無い身で通り抜ける世界を感じるのが 晴れ晴れしいのです。
全ては自己責任となりますが、ユーザーはとても自由な勝者となるのです。
ただ、調子に乗って遠征してしまうと、せっかくの凱旋に尻痛という敗北感が影を落とします。
征服感はほどほどに定められているわけで、暴君にはなれません。
 おわかりいただけるでしょうか? これは信仰の世界ではなく、自覚の世界なのです。
 
 マエストロ教会の門をくぐらねばならないのが玉に瑕ですが、
信者にならなくてもすっ飛ばして勝者になれます。 もちろん勝者には帰依など必要ありません。
 
 そんな勝者も世間から変人と思われたりしがちでつらい面もあります。
そもそも自転車の出来がちゃらんぽらんですからね。 ホント、モノ好きもいいところです。
人車まとめておかしな奴だという指摘は世間のレベルではごもっともなことですし、
そういったことを全部認めて勝者となるのです。
自転車のどこが優れているかとか理屈に頼っているようではダメです。
正しい自転車には無い克服すべきものがあるからこその勝者ですからね。
・・・そんな勝者など御免だという方は、残念ですが Type-F とは縁の無い方です。
 
 ・・・と言い切りたいのですが、
私が Type-F を手放した理由の一つが、そんな感覚が薄れたからなので、
現行タイプは、なぁ〜んだか、ちょっと支えが足りない気がするんですよねぇ。 知らんけど。

  君も勝利の門をくぐりたまえ。       
 すぐそこに
 あるはずだ。
・・以前は通れたのに・・
(本家サイトの画像を加工しています)
 現行モデルがどんな方に合っているか、私見です。
背もたれとサドルの位置関係に問題が無ければ、
サドルを低い位置にセットできる小柄な方であれば、
Type-F を最高に楽しめます。 特権です。

 左画像のモデルさんや折畳みムービーのモデルさんは
手足が伸びきっているようで、少々厳しいと思います。

 ただ、幸いにして条件に合う小柄な方にとっては、
56T×170mm のクランクセットは大き過ぎるでしょう。
運用法にもよりますが、普通な方であっても
52T×165mm 程度にコンパクト化したいところ。
手間と出費に見合えばよろしいのですが・・。
 追加予算
 車体価格 税別 \189,000- (現在 \257,000-) とは別に準備すべき予算で、3〜5万円程度でしょうか。
その使途は、
 
1)9速化
 いきなりですが、当たり前に走るためには必要です。
車体価格との釣り合いを考えても、ここは押さえ処でしょう。
シフターとリヤスプロケット、チェーンの交換が必要です。
シフターは操作感に優れる上位グレードを検討してみるのもよろしいかと。
シフトケーブルもこの際、インナー/アウター共々シマノに交換しておく方が吉。
(私の古い記録ではインナーは1250mmカットですから、3000mmというロングタイプが必要)

● 9速化によって走行中にギアが重すぎたり軽すぎたりのジレンマを回避できる可能性がぐっと高まります。
たとえ平地であっても常に適正なギアを選べることは重要です。 これは保険でもあります。
ちょこっと試乗してトップギアが思っていた以上に重く感じてしまった場合も、
チェーンリングの歯数変更は先の話としても、9速化は必須でしょう。
(チェーンリングの歯数変更は、常用ギアがある程度定まってから検討すれば良いと思います)

● ケーブルは、工場組み付け品の品質が疑わしい場合が多いので、機会をとらえて交換しましょう。
長いフルアウターでの引き回しですから、シマノクオリティは必要です。
ブレーキケーブルも同様ですが、少々安価なブレーキの感触に問題が生じた際には
ブレーキ系総取り替えを検討せねばなりませんので、こちらはしばし様子見してください。

● ディレーラーはショートケージ(RD-2400-SS)ですので、
そのまま使う(一応確認してください)のがいいと思います。

● チェーンのみ9速用にするのもありです。 8速用である必然性などありません。
“耐久性(と価格)” というのは、比較すればの利点であって、実用上の利点とは異なります。
足で直接感じ取れる部分ですから、軽い方がよろしいでしょう?
バタつきも減少しますし、チェーンチューブやプーリーはクリアランスが稼げて延命効果を期待できます。
ついでにミッシングリンク等を導入しておけば、メンテも楽々ですよ。
ただ、質量が減ると慣性も減りますから、駆動系の回る勢いが感じられなくなって、
慣れるまでは脚だけが回っているような感覚になります。

● やはり9速化のハードルは高いという場合は、スプロケの交換をご検討ください。
9速化への橋渡しの意味でもお薦めは SRAM PG830 11-32T ですが、
質感がシマノに及ばないので、検討対象となり得るかは価格次第となります。
 
2)ペダル
 付いているのは “軽快車向け” のプラペダルですから、これは交換するしかないでしょう。
あえて申し上げるとすれば、喰い付きの強烈なやつは靴底を傷めますし、
最初に乗せた足の位置がずらし難いというのは、不便である場合が少なからずあります。
そういうのは十分に乗り慣れて自分のペダリングが定まってからの選択肢の一つでよろしいかと。
とりあえずは、あまりガチでないお手頃なやつで乗りこなしてみてはいかがでしょうか?
 
3)アイウェアとヘルメット
 アイウェアは安全のために必須。 ヘルメットはそういうご時世ですので。
 
4)プーリー(アイドラ)
 遅かれ早かれ消耗品のOリングは代替品が必要となるでしょう。
純正品はかなり割高ですから、最初からストックしておく必要はありませんが、
プーリーのダメージ進行をよく観察して、純正品が妥当かどうかを検討してください。
Oリングは Type-R と共通(2006/本家BBSの情報/2個セットで420円)らしいので、
《こちら》が使えるかもしれません。

 Oリングの選定をミスってプーリー本体が削られてしまうと丸ごと交換となりますが、
プーリー本体が完売となり、再販予定の有無さえ公表されない状態が長く続く場合
(2019/5 本家サイトにて新型プーリーセット完売。要するに消耗品という事)を想定せねばならないのであれば、
他社製品の流用(9速用であればチェーンも交換要)を含めて
「打開策があるうちに」事を成さねばなりません。 このあたりは専門店の力量が問われます。
「後から」では泣きを見ることになりかねないので、店員さんにしっかり確認しましょう。
いずれそのうち 5)サドル
 標準品の車体とのバランスは悪くはありませんが、
何と言っても一番のネックですから、いずれは代替品を試すことになる可能性は高いです。
ただ、確実な選択肢などありませんし、「一番のネック」といってもこの車体デザインのネックであって、
それをサドルの出来の悪さのせいにして、「交換=問題解決」前提で車体を買うというのであれば、
あまりに楽天的に夢を見過ぎています。
(サドルは完全に博打の領域にあるパーツですから、打って出れば勝つことだってありますが)
 
いずれそのうち 6)エアサス
 尻痛の解決策としてはサドル交換よりも効能有りそうに思えますが、
サスポンプも必要ですから、結構な出費となります。
また、取付け長145mm(Type-Sと共通)という半端な仕様のため、
取付け長150mm のもので代用せざるを得ず、
調圧バルブと車体との干渉の有無等は、取り付けてみないとわかりません。
取付け長の差はサグで相殺できますが、それで良い結果になる保証はありませんし、
(相殺するには取付け長差+ノーマルサスのサグ=8mm程度のサグが必要でしょう。
 おそらく、やわらかめ=ストロークし過ぎる設定となります。
 その場合、プーリーでチェーンがバタつき易くなり、ペダリングに支障をきたす可能性があります)

相殺できない場合はその分乗車姿勢が尻上がりという好ましくない傾向になります。
また、エアサスが何とかなっても、サドルの問題は残ります。 成功率は低いですね。
こちらもやはり博打の領域となります。
 
 代替とか代用というのはそういうものです。 やらずに済むならそれに越したことはありません。
 実車のここを確認しましょう
 個性豊かである以上、基本的に万全・完全なものではないと心得てください。
特にシート周りについては、ぜひ詳細に確認願います。 ここのモディファイは非常に厄介で、
購入後欠点が発覚しても、ショップでパーツ交換して解決できる類のものではありません。
(そもそもそのような代替パーツは存在していません)
背もたれの支持部(ゴムマウント)については、何かと対策不十分なその構造をよく確認してください。
にじゅうまんえん以上のお支払に値するものかどうかを、希望的観測を交えずご判断願います。
 
 尚、初めてご覧になる方はベルクロ止めのメッシュシートが大丈夫かと不安に思われるかもしれませんが、
この世界はこんなものです。
私も買いたての頃、メッシュシートの強度・耐久性に難有りと診て、
紐かベルトのグルグル巻きを考えたことがありましたが、
珍車が苦労感出まくりの難車になりそうでしたので、試すには至っておりません。
2年も使えば伸びきって替え時となるかもしれませんが、そんなものではないでしょうか。
ここに苦労しても、支持部の出来が今一つですから、
紫外線で退色しないよう保管に注意する以外は気にしない方がいいです。
おしゃれ雑貨ではありません。
くれぐれも「ばえる」演出に惑わされませんように。
こじゃれたショールーム演出に惑わされませんように。
ピカピカの「新品のいいもの感」に惑わされませんように。

 試乗する前の品定め
 シート部の「調整」はシートポストの上下しかないというのが現実です。
それ以外のものはあれかこれかの選択で、調整と呼べるようなものではありません。
調整の効かないサドルと背もたれとのフィッティングをよく確認してください。
実走行の必要はありません。 立ったり座ったりでOKですから恥ずかしくはありませんし、
冷やかしレベルで気兼ねなくできると思います。
買っても大丈夫そうかどうかの分岐点とわきまえて、慎重に見極める覚悟で臨みましょう。
 
 まず、サドルが目一杯後ろで目一杯上向きで、
背もたれのスペーサーが前にセットされていることを確認しましょう。

 次に、サドルにお尻を降ろし、最も落ち着きがよく、広い面積で接する前後位置を探ります。
おおよその見当がついたら、少し背筋を伸ばし気味にして背もたれにもたれかかってみましょう。
感触を確かめたら、こんどは少しだけおへそを引っ込めて腰を丸めてやってみます。
おなかの前にネコを乗せているような感じの座り方ですね。
 サドルの感触がよく分からない場合は、背もたれがしっくりくるように座ってみて、
その着座位置が適正かどうかを判断してください。
何度か繰り返しても、背もたれが自然にフィットする感触が得られないのであればアウトです。
もちろん、悪いのはあなたではなく、シートの設計ですので、遠慮なくダメ判定してください。
落し処の難しい判定になるはずですが、体重による強制フィットは無効ですよ。

 背もたれがクリアできれば、次は、ペダルに合わせてサドルの高さを調整し、
ハンドルに手を置き、ブレーキレバーを引いた状態でも座り具合に変わりがないか確認します。
ハンドルが遠い場合は、ハンドルを手前に傾けるしかありませんが、
グリップの角度が変化して手元が不自然になりがちですから要注意です。
グリップの断面も円形ではありませんから、難しい判断となるでしょう。
ここでサドルを前に出せば大丈夫なんて言ってくる店員のいる店はだめでしょうね。
 
 ここまでもっともらしく言っておいて何ですが、
ほんとうにこれがクリアできる人ってどれだけいるんでしょう?
間口はもっと広いのかもしれませんが、私に言えることはとても限られています。
 試 乗
 購入前の手順の一つとして、適当にやってください。
1hour or 20km 以上の試乗ができれば実態がそれなりに明らかになるとは思いますが、無理でしょう。
さんじゅうまんえん近いお支払になりますが、ここは適当でけっこうです。
 
   空はよく見えましたでしょうか ?
  自然とこぼれる笑みが運気を引き寄せます ! ?
 あなたは幸福のために選ばれた方なのです ! !
 
 
(画像は本家サイトを加工しています)
ようこそここへ、、    
 クック、クッック、、  
  わたしの青い鳥ぃ〜♪