KIND SHOCK 〜エアサスの
できるのであれば換えてみたくなるのがエアサス。
インストールできる保証さえあれば、価格のハードルを乗り越えてみようという気になりませんか?
 パンク修理は難行苦行
 Type-R の出先でのパンク修理など、想像するだけでうんざりします。 リアは相当に厄介ですよ。
  耐パンク性が高い事が絶対条件とすれば、ケブラー層の入った BIG APPLE はぴったりです。
 
 標準の KENDA (1.75) より静かでスムーズですし、
断面が円形ですから倒し込んでいく途中で手応えが変わることもありません。
太さのおかげもありグリップも十分ですから、路面を気にすることなくよそ見に集中?できます。
が、外径が大きくなりハイギアード化することもあって、体感的には速くはなりません。
さりとてスピードを求めて最大圧にしてしまうと、乗り心地は固くなり、
タイヤの個性である良好な低圧特性を殺すことになりますし、やっぱりさほど速くはなりません。

 共に速くはない素性の車体とタイヤの組み合わせでは、何かが特に良くなったという感じがしないので、
BIG APPLE という選択肢の一般的な評価はいまひとつかと思います。
(評価しようにも、何も刺激の無いタイヤでは善し悪しの決め手がありません)
また、これだけ太いとホイール脱着の際にブレーキシューに引っ掛かりますし、
外径が大きい分キックスタンドの足が長くなってしまいます。
( Fフェンダーも拙いかもしれませんが、こちらはタイヤの太さよりもケーブル取り回しの問題が先に立ちます)
 
 耐パンク性の高さという保険以外に取柄を感じられない、と言うのが正直なところではあります。
が、こんなモンだというのも理解しておりますし、冒険する気にもならないしで、妥協し易い選択です。
   やっぱり気になる MARATHON 1.5 〜硬さとどう付き合うか
 いつかはMARATHON?
速さはどんな自転車にとっても絶対正義の万能薬です。
いつまでも健康で薬がいらないというわけにもいかないでしょうから、
そのときには Type-F で使用経験のある MARATHON に履き替えてみるつもりです。
BIG APPLE  20×2.00 リフレクター付き 530g  30-70psi protection 4 of 5 \3,360-
MARATHON  20×1.75 リフレクター付き 560g  45-70psi protection 4 of 5 \2,730-
MARATHON  20×1.50 リフレクター付き 470g 45-100psi protection 4 of 5 \2,730-
MARATHON RACER  20×1.50 リフレクター付き 290g  50-85psi protection 3 of 5 \3,990-
 BIG APPLE を50psi (350kPa) =(MARATHONの下限圧近く)で使用する身としては、
MARATHON (1.5) の100psi が機会ある毎に気にはなるわけですが、未だ購入には至りません。
速くなって目的地には短時間で到達できる反面、乗り心地がきつくてそれ以上に進む気にならず、
結局 大して広がらない行動範囲をせわしく走り終えるだけになりかねないからです。
しかし、そんなアレかコレかといった極端な話でもないでしょうから、
結局は時間をどう楽しませてくれるかという違いになりそうですね。

 一般的な価値観では走行感のすっきりした MARATHON の方が好ましいはずですが、
Type-F 経験者としては、Fとは別の選択肢があるのならそちらを選びたい。 これが本音でしょうか。
のんびりできるんですから、のんびり時間を過ごせばいいわけです。
 
 MARATHON の選択には、どんな自転車にも同じ成果を要求してしまう因習の縛りが潜み、
BIG APPLE の選択には、分相応に留まる無念さと諦めが潜んでいます。 どちらも妥協の選択となります。
RACER ははっきりと長所が出るでしょうが、
価格と、特に「並」レベルの耐パンク性をどう評価するかが鍵になります。
BIG APPLE  20×2.00 リフレクター付き 495g  35-70psi protection 4 of 6 \3,780-
MARATHON  20×1.50 リフレクター付き 530g 55-100psi protection 5 of 6 \3,564-
MARATHON RACER  20×1.50 リフレクター付き 340g  55-85psi protection 4 of 6 \3,564-
 いつの間にやら時代は変わり、こちらは2015年8月のスペックです。
MARATHON が BIG APPLE よりも重くなり、耐パンク性で優位に立ちました。
一方、軽量な RACER は BIG APPLE に対し、安価で耐パンク性は同等という展開になっています。
MARATHON には 16×1.5 はありませんし、とりあえず RACER 行っとけ、な状況ですね。
Type-R は、リアサスの動きがキックバックとなって断続的にペダルを押し戻し、
そこからの再踏込にはホイール周縁部の重さが効いてくるでしょうから、
RACER ならペダリングの感触も少しは改善できるはず、です。
 MARATHONの下準備を兼ねて
 BIG APPLE は Type-R の性格に合った、理屈としては合格点のタイヤのはずです。
が、変わり映えのしない走行感が頭の何処かで引っかかっています。
低速域向けの車体に対して、同調増幅か速さの補完かという根本的な判断に立ち返れば、
Type-F で好印象だった MARATHON (1.5) への乗り換えも想定しておくべきでしょう。
Type-F では純正エアサスとの組み合わせで使用していましたから、
この際、その準備段階としてエアサスを試してみるのも面白そうな気がします。
   付けてみなけれゃ分からない 〜購入4ヶ月半の決断
 心 配
KS-562(左)とKS-582(右)です。
 XC用という割には 562 が意外と早く動作不良になり、
一旦ノーマルのコイルサスに戻した後、上位機種の 582 を購入。
どちらも出来の良い街乗り用みたいな感じで素人にも分かり易い動きをしてくれますが、
こんなものでXCとかのコースにほんとうに対応できるんでしょうか。
 効果はあっても妥協点は低い
 毒を食らわば皿までと、BIG APPLE にエアサスの度が過ぎた取り合わせですが、
取付け長が10mm長い150mmなので、帳尻合わせにサグを最低10mm確保せねばならず、
もう少し硬い方がいいんじゃないかと思えるセッティングとなります。
さすがに車体のがたぴしはかなり軽減されますし、ショックも和らぎますので、
緩衝効果ははっきりしています。
これに慣れてしまうと標準のサスでは上体がシェイクされるようできついものがあります。
 
 取付け長が合っていれば、もう少し固くしてそこそこの妥協点が見つかると思っていますが、
現状では取付けは可能というだけのレベルです。

出費に対する見返りを求める気持ちから妥協しているだけで、これが良い状態とは考えておりません。

もともと速さには期待するものが無かったので、漕ぎにダルさがでたところでしれたものなのですが、
もうちょっとましな標準品が付いていれば手を出さずに済んだかもしれません。
半端なサイズなのに困りますね。
2004年にエアサスのオプション設定の予定もあったようですが、実現しませんでした。
非常に残念です。
 ストロークの弊害
 はっきり言って標準のコイルサスは無いよりましな程度の働きぶりですが、
かえって漕ぐには好都合で、自転車らしい爽快さがあります。
視点の上下動が少ないせいか、視界がクリアで広く感じられます。 気持ちいいですね。
身体も上下動しない方がペダリングが安定するようでリズムにのせ易く、
走らせていることが気持ちいいです。
 以上、KIND SHOCK からノーマルサスに戻した直後にはそう思えます。
 
 上下動(サスの動き)の違いは夜間のライト光軸のぶれでも確認できます。
KIND SHOCK では光軸が頻繁に上へ逃げてしまうので、ライトに頼る夜間走行は無理です。
ロックアウトすれば良いのかもしれませんが、未だ試したことはありません。
路面状況を把握しきれない夜間にサスを殺すのは気が進みませんし、
ロックアウトするとサスがアウトになりそうで、試すのは勇気が要ります。
大丈夫なんでしょうか、これ。
 他人には薦められない
 Type-F でエラストマーサスから純正エアサスに交換した経験から、
乗り心地をあきらめずに MARATHON (1.5) が使える可能性も探っておきたくて手を付けてみましたが、
結果にはちょっとまずいものを感じます。
さりとて大出費なエアサスを、ホームセンターで売られている自転車のよりはましな程度の、
何か誤魔化されているような気がしてならない鉄のような標準コイルサスに戻すのもいやなものです。
乗り心地が目的ならば、BIG APPLE で空気圧を丁寧に追い込んでみるにとどめた方が、
面倒がなくてよろしいかと。
 A5RE(取付け長125mm)ならどうか?
 KS-562 がフルボトムで固着したままになり、緊急帰宅したことがあります。
このときの軸間長が123.5mm(実測値)でした。
意外と普通に走れるものだとは思いましたが、乗り心地も変化しますし、
走り具合を検証している場合ではなかったので何とも言えません。
要するにえらいこっちゃ、エアサスが壊れてしもうたという現状認識が支配的では、
みっともない走行状態の正確な観察などできていないわけです。
しかし用心深くではあっても、普通に、疲れもせずに走れたというのは何なんでしょうか。
 
 A5RE であればこのときの短い軸間長を検証するのに都合が良さそうなのですが、
フルストロークした際の、BIG APPLE とテールパイプとのクリアランスが懸念されます。
が、150mm以下はこれになりますし、安価で軽量ですから遊んでみるのも一興です。
(A5RE のトラベルはCBAでは25mm、KUWAHARAでは20mmとなっており、私見では20mmが正しいような。
実際のトラベルは少し短いはずですが、トラベルを使い切るようなセッティングはまずいでしょうから、
「エアサス」に期待してしまうよりも固めの乗り心地になると予想します)
   やることなくて何となく 〜三年経てばそんな気にもなったりする
 幸せの予感・その一) ついにエアサスのロックアウトを試しました
 購入形態を含めてあまり信頼性を望めそうになかったので控えてきたのですが、
長い上りでふと試してみることに。
よたよたと失速寸前走行しかできないのは変わりませんが、
もたつき感が軽減されるのか気分はいつもよりすっきりと上れましたので、
脚力のある方であれば登坂のリズムも変わることと思われます。
私の場合は登坂中はさておき、上り切った後のスピードの回復が楽な気がしますし、
全走行後のくたびれ方も次回の走行を楽しみにできそうな類のものになったりで、
これはもう、ちょっとした事件ですね。
(調整レバーを一杯まで回しても完全にロックされるわけではないようです。 仕様なのか、不具合なのかは不明)
 
こうなると、現状の柔らか過ぎるサスの動きを抑えれば、
通常走行もより気分の良いものにできそうな気がしてきます。
まぁ、現状の問題点はとうに分かっておりましたが、
ここにきてふかふかとした乗り心地の極点に居座り続けるのもどうかという気になってきました。

 
きっとほかに考えることが無くなっていたんでしょうね。 ということで、行動に移すことにします。 後述。
 幸せの予感・その二) とうとう前ハブのメンテ
 空転させた際にチッチッと鋼球がぶつかり合うらしき音がするので、
しぶしぶメンテすることにしました。
デュラらしきグリスは十分に残っており、さほど汚れてもおらず、
開けて損したかと思いましたが、玉押しに虫食いを発見。
鋼球共々次回に交換することにして、今回はグリスをレスポに変更して元に戻しました。

 この蜂蜜のようなグリス、ワンの隙間からハブの内側に逃げて行くような気がしてちょっと心配です。
粘度がゆるい分ゴリゴリ感がはっきりとして、元より良くなった気はあまりしません。
コリコリっぽいところで組上げてフロントを持ち上げて車輪を空転させてみると、
作業前ほど回り続けません。 まぁ、ね。
 
 実際に走ってみると、意に反して何かいい感じです。
チェーン同様、メンテしたては何使っても軽くなるのは当たり前、の類かもしれませんが、
僅かに追い風に恵まれているように進みます。
もっとType-Rを楽しめそうな気配がして何やら考え始めたりします。
 
ならばリアもやったらどうかとなると、こちらは DualDrive ですからねぇ。
分解図を見たりはしますが、やっぱりさわらぬ神に祟り無し、です。
ということで 気を良くした勢いで、行動に移すことにします。
 サス取付け長をフレームで合わせる
 エアサスを正しく使うために、取付け長150mmに合う穴を開けることにしました。
フレームに手を加えてみるほどの熱心さは持ち合わせていなかったのですが、
きっと走るより穴開けるほうが面白そうな気がしたんでしょうね。
サグに気兼ねすることなく適度に締め上げて、漕ぎと乗り心地のバランスを取ろうかと思います。

   この位置で、フレームの尻尾の先端の高さがノーマルサスの時と同じです。

  私の体重が軽いせいかノーマルサスのサグは無かったのに対してこちらは1cm弱ありますから、
  乗車時の実質的な座面高はノーマル時よりも低くなります。
 実感を伴うほど低くなったわけではありませんが、姿勢変化に合わせて、
サドルの角度、メッシュシートのテンション、ハンドル位置、キックスタンドの長さ、と
ほとんどの箇所を再調整しています。 芋づる式に面倒が湧いてきますね。

 また、サス取付けボルト(下側 M6X60)は交換しています。
右下画像の真ん中が交換したボルトで、僅かに曲がっています。(見てもよく分かりませんよね)
再使用はできますが、外した際には交換してしまった方が精神衛生上よろしいかと。
 結果は良好
 僅かに圧を高めにしたところで、当初の目論見通りの成果を得ました。
これには乗車姿勢(座面高)の変化による影響も大きいようで、
従来のペダリングの違和感、ダルさが影を潜めました。
自転車が進みたがらないという感覚は無くなり、
スピードを上げることにストレスを感じることもありません。
 
 サスへの入力方向がより素直になった分、サスは動き易いでしょうから、
初動が良くなったり長持ちするかもしれません。
キックスタンドも少し短くできた分しっかりしましたし、あれこれと、いいことたくさんです。
ちょっと走り込んだ翌日でも、以前のように食傷気味にならず、気持ちよく走れるようになりました。
 
 
 前ハブのメンテの結果と合わせて、ようやく様になったと思います。
いい気持ちを味わえる自転車になったと思います。
私的にはつっかえていたものが落ちて、これで一応の完成という気がします。

 ただし客観的に速くなったわけではありませんので、念のため。
遅いには違いないけれど、強いられて遅いという抑圧感というか、
前へ進めることが労働であるかのような暗黒面からは抜け出せたということです。
 
これでめでたしめでたし、のはずだったのですが・・・   《三年経ったType-R》へ続く
   それでもいまひとつ面白くないのは何故だ 〜8ヶ月後にふと思う
 梅雨でひと月半ほど乗らずにいたら、準備をして外に繰り出すのがすっかり面倒くさくなって、
走っていても漠然とそんな思いに囚われます。
そんな折にアイドラのベアリングが抜けているのを発見。 なんじゃこりゃ?    アイドラの頁へ》
 もっと下げたらどうなる?
 アイドラの交換ついでに再度サスの取付け穴を追加して、座面高を可能な限り下げてみることにしました。
 
 上で挙げた KS-562 のフルボトム状態で、本当に普通に走れたのかが少し気になっていましたから、
取付け長の短い A5RE でもぽちっとしてお盆休みにインストールするのもいいかと考え始めていたのですが、
塗装品質に萎え気味なところにアイドラの欠陥が追い討ちをかける、という展開では追加投資の価値無し。
在る物使って出来る範囲で遊んでみます。 走るより面白そうですから。
もうこうなったら何でもありです。


      左が変更前、右が変更後です。
 
 右画像では主圧バルブがスイングアームに隠れないように前後を逆にしていますが、
赤いダンピング調整レバーがフレームと干渉することが判明したため、左画像と同じ向きに戻しています。
取付けボルトの片方を外さないと主圧調整ができなくなりましたが、
幸いにしてエア漏れは無いので、主圧決定後はその必要はめったにないと思います。
さすがにここまでやると不都合なことも出てくるということですね。 どこでやめるのか思案のしどころ。
 
 下側の取付けボルトは今回も交換しました。
泥除けのゴムフラップは古タイヤを切ったものです。

全体はこんな感じです。
 
 ノーマルの前下がり三角定規のような
印象は無くなったと思います。
尻尾とタイヤの間の空間の無駄な感じも
無くなりましたし、些か恥ずかしい
跳ね上がったデザインは影を潜めました。
よろしいんじゃないでしょうか。
 
 乗れば座面が下がった実感もあります。
が、それが良いという印象は特にありません。
つまり暗に悪いということかもしれません。
これで尻尾の先端で40mm下がりました。(座面高で25mm弱)   
 変更後の状態は、ノーマルの穴位置での取付け長130mmに相当します。
125mmの A5RE の場合は、やはりフルボトム時の尻尾とタイヤのクリアランスが厳しそうですね。
無駄な投資を回避できました。
 キックスタンドの感触向上
 キックスタンドは、スイングアームの角度がより水平に近くなったことから今回も少し短くできましたし、
前方への振り出しも小さくなったのでその分だけしっかり感が増し、
少しの間止めておく程度なら気を使わずに済みそうです。
静的に自重を支える限りでは揺らぐ感じも無くなり、「ガガンボの脚」的な不安な腰高感はもはやありません。
これはめでたし。
 走ってみると(その1)〜良くなった所
は残念ながら一つしか見つかりません。《 bikeE AT化したディメンション》によるペダリングの向上です。
片足(利き足でない方)で漕ぐと、反転に移る下死点のイメージが不明瞭で踏み込みが奥まってしまうため、
膝が伸びきろうとするまでトルクが掛かって、そこからすぐに引き足に反転する、
空手の突きのようなピストン運動を、無理に円軌道でやっているようなぎこちなさが拭えなかったのですが、
ことさら円運動の維持に神経を使う必要も無くなり、自然な感じとなりました。
 
 たぶんこれが 一般的な 状態だと思います。
確実に言えるのは、私の様なヘボでも座面を下げれば少しはマシに漕げる、ということです。
脚のヘタリ方も走行後の疲労感も変わりますし、
何より疎遠となっていたケイデンスを意識した走り方ができます。
これは大進歩です。 bikeE AT は偉い。
 
 結論としては
「Type-R のペダリングは効率が上がらない」=「bikeE AT のそこを変えてはならん」
 ということかと。
 
 ただ軽く回していくだけのアイドリング的な走行でも、トルクの掛かる領域と効率に違いがありますから、
ノーマルは非常に損です。 自転車としてひどい話だと思います。
ノーマルが走っていても重さを感じてしまうのは、充分にトルクが掛からないためでしょう。
 走ってみると(その2)〜悪くなった所
は残念ながらいろいろあります。 良い所が一つしかないんですから。
どうも今回は少々やり過ぎて落しどころを外したようです。
しかし、おもしろいですね。 ここまでやってしまった自分が。 アンタは偉い。
その一) 座面が低すぎます。 相対的に、ハンドルが高すぎます。
 
 それほど大した違いではないはずですが、腰の上げ下ろしは自然にさっとできるほどではなくなりました。
微妙に邪魔な位置にハンドルがあって、腰を上げる際には、前方へ降り立つのではなく、
梯子を登るように無理をして上に上がる感じです。
また、座る際には、降下する体を支えつつ膝を深く曲げるので、しんどいです。
極端に言えば、腰の上げ下ろしの動作が、前方へ立つ・後方へ座る、という自然な前後移動を含んだものから
垂直方向のみに規制された筋力トレーニング的な動作に変わってしまいました。 スクワットですね。
座って開ける視界もハンドルに遮られる分だけ悪化していますし、手元が出しゃばり過ぎています。
 
 尻がすぐに痛くなるので信号待ちの間は立つのが流儀なのですが、
乗り降りの動作に意識的な構えが必要になってしまいました。
座面高はこの点ではノーマル時が最適だと思います。
その二) 舵の据わりが悪化しています。 これは由由しき事態です。
 
 狙った通過点へのアプローチでは前輪の接地感が薄く、ぶれ易くなったことが分かります。
不安定とまでは言えませんが、安定性と呼べるような感触もありません。
ヘッド角が小さくなってトレイルが大きくなり、直進安定性は増しているはずなのですが、
美点のゆったり感が薄まり残念です。
 
 舵の据わりが悪化したのは、ハンドルが高くなったために、 背もたれの傾斜が大きくなったために、
腕の重みによるバランスのとれた自然な押さえが効かず、保持力が弱まったのが原因と思われます。
つまり、ハンドルとの関係が「上から手を乗せる」から「前にあるものを掴む」に移行しているようです。
腕の重みを預けるだけで保持できたものが、押し引きの調整で保持せねばならなくなったのですから、
ゆったり感は薄まります。
また、手に馴染まない《スリムタイプのグリップ》も、この傾向を助長させていると思われます。
 
(追記)
トレイル増大により、ぶれの修正舵がさらにぶれを生む悪循環の影響が大きくなったのではないのかという気もしています。
参照》  
その三) 居心地がなにやらシビアになりました。
 
 背中への荷重が増えて上体の位置決めが強まった反動なのか、座り具合がいまひとつになりました。
脚はしっかりペダリングをするようになり、上体はしっかりそれを支える、
こうなると乗車姿勢に誤魔化しが効かなくなりますからしかたありません。
その四) 一線を越えてとうとうボロが出ました。
 
 ペダリングが改善され自然とトルクが掛かる様になった ? のですが、
足の裏にブルブルとした微振動が伝わります。
アイドラ通過時のチェーンの震えやよじれが顕在化したのかもしれません。
これまではトルクの掛かっている時間が短く気にならなかったのでしょう。
だめはだめなりに問題なく纏まっていたということです。
 
 また、当然ですがアイドラの磨滅が早まります。 これは至急対策を要するレベルのものです。    参照》
(既存のサス取付け穴を使用した初期の状態) (サス取付け穴変更後の状態)
 サス取付け長が長く
スイングアームが押し下げられているのに加えて、
チェーンリングが小さい (43T) ために、送り側(駆動側)
チェーンは直線に近い状態でアイドラを通過します。
アイドラの影響は軽減されます。
 スイングアームが引き上げられ、
送り側チェーンのアイドラでの屈曲が強まっていますが、
屈曲とは逆に、ロー側よりハイ側の方が振動が出易い
ようですから、トルクの掛かり方の問題かもしれません。
 まぁ、アイドラ以外の悪化現象はいずれも慣れの問題で片付けてかまわない程度でしょう。

一方、ペダリングの問題は慣れで埋め合わせの出来るものではありません。

が、手をつけなければ気付かずに過ごせるのですからその方が幸せ、でもいいとは思います。
 弄るのはほどほどに
 Type-R の在り方としては、アップライトな敷居の低さをいかに提供しているかが肝だと思いますので、
このようなカスタマイズに深入りすることは好ましいものではありません。
とはいえ、「乗りやすい」というほんのさわり部分にかかわるだけの甘い口上しか持たないRを
どうこうしようとした場合は、避けようがないのも事実です。
「より楽に」であろうが「より速く」であろうが、やりだせば出てくる結論は同じでしょうね。
 
 何か弄るたびに走らせるための機能、配慮が欠けていることが顕わになります。
それが分からないうちは、残った「空が見える」とか「乗りやすい」とかで納得していられるのですが。
   発覚したエアサスの問題点 〜車体はサス非対応   /(^o^)\ なんてこったい
 車体設計の整合性のレベルはあまり高くありません。
そういうことを狙った自転車ではないということです。
bikeEという手本を見ながら考えていたことは、
自転車としての実力を向上させようということではないということです。
 キックバックはかなりまずい
 アイドラの摩滅が早く、まさに消耗品と化しました(上述)
 
 Type-R のアイドラはスイングアームのピボットの下側に配置されています。
このため、サスが縮むとアイドラと後車輪軸との距離が広がります。 (下画像参照)
このとき駆動側チェーンは広がった分を補充するために、
後輪をより多く回すかチェーンリングを逆転するかしなければなりません。
後輪は、瞬間的に回転を上げる(スリップする)ことになりますが、
サスが縮むのは荷重の掛かった状況ですのでそれは無理で、
結局、チェーンリングの方から不足分を戻してもらうことになります。
実際には走行中に一瞬ペダルを止める力が働くだけですが、ペダリングが改善されたのが仇となり、
ペダルを押さえ込む力が強くなった分、アイドラへの負荷が増大します。
サスが縮むたびにOリングは押しつぶされ、チェーンはアイドラの樹脂本体に接触します。
かくしてアイドラが消耗品と化したようです。

呪いのトライアングル
〜 災いなるかな エアサス 〜
サスが縮めば赤線2辺の頂角が広がりますから、
底辺(黄線)が延びます。
 リカンベントはペダルの踏み込み方向とサスのストローク方向が異なるため、
サスによるパワーロスは無いと言われています。 ホントですかね?
かなりアップライトなリカンベントにどの程度適用できるのかはさておき、
Type-R では上述のようにサスの動きはペダルを押し返す力となります。
いわゆるキックバックという現象ですが、
ペダルを回そうとする勢いが寸断されるので、回転維持に余計な労力が必要です。
Type-R のペダルが回し辛い要因の一つがここにあります。
キックバックは車体の上下動と同時に発生するため、
その振動の中からキックバックのみを感知することはまずできません。
ただし、例外的な状況もあります。
下りをチェーンのテンションを維持する程度に軽く回しながら流すような場合には、
ペダルを回す勢いが弱いので、キックバックをもみ消せません。
ペダルを止められた次の瞬間にまたペダルを踏み始めるという
ペダリングの寸断に合わせて、リアハブからカンカンと音がします。
縮んだサスが伸びる際にチェーンが弛んで(上画像・黄線が縮む)、
空転しかけたフリーに再度駆動がかかる際の打音だと思われます。
ノーマルのサスならおそらくこうはならないでしょう。
 
 あれこれ弄ってペダリングを改善してもこの影響が無くなる訳では有りませんから、
時間が経てば必ず「走らせること、ペダルを回すこと自体に気持ちよさは見出せない」
ことに気がつきます。
ノーマルサスがリズムに乗せやすいペダリングを実現していたのは、
トラベルが小さくストロークもせず、このあたりの影響が小さいためでしょう。
エアサスは乗り心地を得て走らせ心地を失う選択となります。
 誤魔化すのはうまい
 Type-R は形式上はピボットを有するリアサスペンションフレームなのですが、
きっちりそれに対応した駆動系設計にまで手は回りませんし、かといって潔くハードテイルにすれば、
それに対応した、乗り心地が確保されたシート部設計をせねばなりませんから、それも避けたい。
専門家でないことは百も承知ですから、Pacific の引き出しの中に無いものは避けたい。
折衷案としてリアサスの機能をバンプラバー程度に抑えて難を避けようとしているようです。
路面からの突き上げ緩和程度のクッションを入れて誤魔化しているとも言えます。
サスフレームとしても、リジッドフレームとしても、まともに取り組まずに済む簡易処方な上、
「サス付き」という付加価値のおまけ付き。 旨いことやってますよ。
一般的なサスの、後輪を上下動させるためのトラベルは、設計上想定外だったわけです。
一般的な取付け長を避けたのも、純正品の乏しいトラベルでないと拙いためかもしれません。

 以上、Type-R を見ればのお話ですが、
手っ取り早く Type-F を踏襲して済ませただけで他意はない、というのが真実なんでしょうねぇ。
 
 エアサスのオプション設定の話が流れたのは、本件を踏まえれば理に適った判断と言えますが、
そんな走り込まないと(走り込んでも)分からんような検証をしているはずは無い(はずです)ので、
売れ行きが今ひとつといった商売上の理由でしょう。
 しかたありませんから
 ストロークを減らすために、エアサスの圧を25%ほど高めてみました。
乗り心地はまだ何とかなる程度に引き締まりますが、肝心のストロークは健在です。
ノーマルに近付けるにはかなりの覚悟で望まねばならぬようで、
そうすればエアサスの意味が無くなりかねません。
できることはやりましたという、気休め効果に期待しましょう。
 
(追記)
 圧の変化はキックバックの程度に相応に反映されます。
ただ、キックバックが実感される状況は限定されますし、
走っている最中のことなど受け流してしまうのが常である以上、
乗り心地の変化ほどにはその効果が実感されません。
このため、その都度ボルトを外す必要のある圧力調整を追い込む気力が出ない、
というのが正直なところです。
 
 ということで、とにかく我慢できる範囲でサスを硬くして行けば、
コソコソと裏で悪さをしているキックバックはそれなりに軽減されて、
走りのキレにこっそりと効いてきます。
もちろん大したものではないでしょうが、こういうのは積み重ねですからね。
そう思っていないと自転車弄りなんてやってられません。
 6mmで事を収めるノーマル・サス
 標準の RST22 (取付け長140mm) です。
MEKS製エラストマーサスの無償アップグレード、つまりリコールの代替品です。
 
 ゴム製のダンパーから覗くシャフトから、実トラベルがかなり小さいことが伺えます。
右の組まれた状態でシャフトの見える部分の長さは6mm程度しかありません。
取付け長の長いやつを切り詰めて短くしただけの、ただの製作可能範囲な感じ、、けっこう重いですね。
エラストマーの代替としてはこんなものかもしれませんが、ばねのプリロード調整は難渋しそうです。
乗り心地を調整するレベルではなさそうで、落し処が分からないんですが、
カチャカチャ音が出たり、振動で緩んだりしてはなりませんから

 こちらも先入観に囚われず、しっかり締め上げておくのが正しい使用法でしょう。
   後の祭り
 長いチェーンの弛みが緩衝効果をもたらしてくれるのか、
何となくダルな印象だけで長い間事を済ませてきたのですが、
サスと言えばペダリングロス、として看過してきたのはまずかったですね。
キックバックにはもっと早く気づくべきでした。
最初にインストールした KS-562 が《フルボトムで固着した状態》でも疲れずに走れたことが、
 「座面高は下げた方が良い」ということだけではなく、
 「サスは無い方が良い」ということも示唆していたわけです。
せっかくのこの機会に、サス無しでどの程度我慢できるのかを検証しておくべきでした。
 
 標準のサスは、見かけによらずバンプラバー程度の機能しかありません。
たとえ安普請に見えて機能不足に思えても、それで正しい理由があったわけです。
このあたりの事情に考え至らず、グレードアップのつもりで
街乗りセッティングでよくストロークするエアサスに手を出したのが運の尽きです。
おバカですねぇ。
本来ならばハードテイルであるべきものに見かけだけのサスを割り込ませているのですから、
限度をわきまえるべきでした。
 
 タタリじゃあ〜
 多くのリカンベントにキックバックの問題はあるはずですが、
Type-R 以上に長いチェーンの弛みが、程よくキックバックをもみ消しているのかもしれませんね。
(あるいはType-R に固有の不利な条件があるのかもしれません)
そういう意味では、Type-R はリカンベントになり切れていません。
 
が、Type-R は、無いよりはまし程度のサスが、発生源であるストロークを抑制し、
大きすぎるチェーンリングが、チェーンの引き戻しに要するクランクの逆転角度を減少させています。
さらに踏み込みの効いていないライディングフォームでは何も伝わってきませんから、
素の Type-R にキックバックの問題は無いと言えるでしょう。
とても立派にリカンベントしています。

Type-F 同様、ダメはダメなりにとても上手に纏まっているということになります。
それに手を下せばタタリがあります。 みだりに聖域に立ち入ってはなりません。
大自然の巧妙な仕組みに人は畏れを抱き神の存在を感じてきましたが、
・・ろくでもない神だっていますよねぇ。
犬神様のタタリじゃあ〜〜
 どうすれば良いのか
 駆動系の設計がサスに対応していないのですから、サスは無い方がいいに決まっています。
残念ですがエアサスの意味もクソもありません。
よって、ロックアウトを標準にする覚悟で圧を高めてしまうしかありませんね。
しかたなくの25%程度ではまだまだだということになります。
いっちょやったろやないかい ! ?
でもめんどくせ〜っ ! !

(( どおせアイドラの問題もあるしな。 このままでえェわ。))
 
 アイドラといい、サスといい、無い方がいいというのも困ったものですね。
   話の出たついでに 〜素直な気持ちで感謝しましょう
Type R リアサスペンションユニットの無償アップグレード  2004/7/16
 現在発売中の、Tartaruga Type R に使用しているリアサスペンションユニットに、不具合が発見されました。
 使用条件により、サスペンションが作動しなくなる場合があります。
 そこで弊社では、コイル式サスペンションへの無償アップグレードを実施いたします。
 全ての Type R ユーザーが対象になります。
 
 アップグレードは、販売店を通しての対応となります。
 アップグレードの開始は、8月2日からとさせていただきます。
 8月2日以降、ご購入店から連絡が入ると思いますので、
 もうしばらくお待ちください。
 アップグレード開始までは、そのまま使用を続けていただいても、
 なんら支障はありません。
 
 
注記:同じメーカーのサスペンションを Type F にも採用しておりますが、
今回の問題は、Type R に採用したパーツ固有の問題です。 安心してご使用ください。
 
旧・本家サイトより  
 アップグレード開始までのしばしの間なら、そのまま使って、
つまり使用条件不問で、何ら支障なしだそうですから、
問題が起きたのは同じパーツを使用した別の自転車か何だかということでしょうか。
 過剰ともいえる警戒感が漂っていますが、
リリースを控えた、型式認定の絡んだ RE には、
心配の種などあってはならないということでしょうか。

 こう言っては何ですが、「メーカーの良心」の宣伝効果はかなり大きいですね。
 これぞ日本の安心ブランド、、の演出はバッチリです。